「人材派遣業での大きなビジネス・チャンスを望むなら極東へ行け。中国および香港,台湾は,eリクルーティング市場にとって未開の金鉱そのものである」。米International Data Corporation(IDC)が米国時間4月17日に,調査結果を発表した。

IDCは,中国,香港,台湾の3地域を合わせたオンライン人材派遣事業,すなわちeリクルーティングの市場は,1999年の500万ドルの水準から2004年には5億ドル近くの規模へと,5年間で100倍に拡大すると予測している。

 「中国の人口が巨大であるということだけではなく,様々な分野で高度な能力を持った管理職や熟練したスキルを持つ労働者が不足していること,さらに,中国政府がインターネット市場に関する規制を緩和していることも,人材派遣市場を押し上げる要因となる」(IDCのディレクター,Ellen Julian氏)。

 IDCは,eリクルーティング企業が留意すべき点として,「台湾と中国のネット・ユーザーは,母国語のWWWサイトを強く好む傾向があるため,言語や文化の面でローカリゼーションに対応していない企業のWWWサイトは利用増が期待できない」ことを挙げている。

 またオンライン広告に関する規制も大きいことから,広告収入に頼るeリクルーティング企業は注意が必要としている。

「しかし,短期的には雇用者も求職者もインターネットにリソースを求め,長期的にもキャリア・マネジメントなどでインターネットを活用するとみられるため,この3地域でのeリクルーティング事業には大きなビジネス・チャンスがあるといえる」(IDCのアナリスト,Christopher Boone氏)。

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