米Computerworldが米国時間7月2日に,「IT従事者は給与や職の安定性には満足している」などとする調査結果を発表した。IT従事者はその多くが,技能向上のための支援を会社に望んでいるという。

 Computerworld誌が,781人のIT従事者にアンケート調査を行ったもの。そのうち2/3の回答者が自分の職について「とても満足」と答えている。しかし3/4が「能力を100%生かしていない」と回答した。またハイテク企業のIT従事者はその多くが,会社が提供する教育プログラムについて,「数が不十分」「昇進のチャンスが不十分」などと答えている。

 「経済情勢はひっ迫しているかもしれない。しかしそれがIT従事者が不満を持つ理由ではない。彼らはやりがいのない仕事で元気がなくなっているのだ。IT従事者はこの国で最も安定している職のひとつだが,彼らはその職から高い給料以外の別の何かを求めている」(Computerworld社編集者のDavid Weldon氏)。

 同社によれば,管理者はIT従事者とより効果的にコミニュケーションをとり,プロとしての能力開発の機会や会社負担の技能習得機会を提供する必要がある。

 なお同社は,ハイテク企業のほか非技術系企業や,コンサルタント,請負業者のIT従事者にもアンケート調査を行っている。それぞれの分野では少なくとも25%が会社の教育プログラムについて「とても不満」と答えている。与えられている昇進のチャンスに満足と答えたのはわずか30%だった。

 昇進のチャンスに不満を抱く,ということは今に始まったことではない。しかし,今IT従事者は経営者との話し合いの機会がないことに落胆している。非技術系企業の50%のIT従事者が自分の将来についてマネージャと話す機会がないと不満をこぼしている。ハイテク企業では46%が同様の不満を抱いている。

 またIT従事者は会社の戦略や業績目標を把握している。65%が会社の事業目標を把握しており,それに理解を示している。またそれが会社の業績に影響を及ぼすという理解については回答率がさらに高くなる。しかし「そのための権限を与えられている」と感じている人は1/3以下だった。

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