米IBMと米National Semiconductor(NS)が米国時間6月19日に,ホーム・ゲートウエイ製品の開発用プラットフォームに関し,提携関係に入ったことを明らかにした。NS社のGeodeプロセサおよびインターネット端末向け開発プラットフォーム「Geode SP4GX10」と,IBM社の組み込みソフトウエア「WebSphere Everywhere Embedded」を組み合わせて提供する。
一部の提携ベンダーにすでに提供を始めており,一般ベンダー向けへの提供開始は8月を予定している。
ホーム・ゲートウエイはインターネットや放送などの外部ネットワークと,家庭内ネットワークとを接続する機能を備える機器。住宅内の電気やセキュリティ・システム,エアコン,エンターテインメント・システムなどの遠隔管理が可能となる。
米Allied Business Intelligence(ABI)の調査報告によれば,「世界のホーム・ゲートウエイ市場は,2000年の2億6700万ドルから2006年には71億ドルの規模へと飛躍的に拡大する」という。両社はこうした成長市場での拡販を目指す。
IBM社のWebSphere Everywhere Embeddedは,ハンドヘルド・コンピュータからゲーム機,セットトップ・ボックス(STB),車載機器,電化製品,パッド型無線インターネット端末,インターネット端末など,幅広い製品への組み込みが可能。サーバー・ソフト「WebSphere Everyplace Server 2.1」も提供する。
NS社のGeode SP4GX10は,インターネット端末向けの32ビット・プロセサ「GX1」を搭載する。Geode GX1は,x86のCPUコアと2次元グラフィックス・コントローラ,PCIコントローラ,メモリ・コントローラを1チップに集積したLSIである。メモリ・コントローラのインタフェースは64ビット幅のSDRAM,16Kバイトの1次キャッシュを内蔵する。
中国の白物家電メーカー最大手のShanghai General Electronics Group(SGEG),台湾の家庭向け技術ベンダーであるC.P. Technologyが,すでにIBM社とNS社の開発プラットフォームの利用を開始している。SGEG社はWWW端末を使った遠隔監視や遠隔操作を行うためのアプリケーションを開発する。 C.P. Technology社はホーム・ゲートウエイの新製品「Power IA Smarthome UB2100」の開発に用いる。
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