米Hewlett-Packard(HP)が米国時間6月12日に,構想「service-centric computing」の概要を明らかにした。service-centric computingとは,人々や場所,物がWWWによって互いにつながり,地球上のどこからでも無線でデータ・センターからコンピューティング・サービスを購入できる環境である。

 HP社の研究員がHP社研究所で開催した記者会見で明らかにした。そのなかでHP社は,主に以下のプロジェクトについて説明した。

・位置認識プロジェクト「Cooltown」:緯度と経度から位置を認識し,WWWサイトで確認できるようにする。また,WWWサイトを各個人が携帯する端末と連携させる。例えば消費者が携帯電話機やPDAでCDケースのバーコードをスキャンし,すぐにアーティストのコンサート・チケット購入サービスにリンクできるようにする。

・モバイル機器向けストリーミング・メディア技術の開発:携帯電話機やPDAを含む各種機器に向けたリアルタイムのビデオ配信を可能にする。また第4世代無線ネットワーク向けのマルチメディア・ストリーミングに関してNTTドコモと協力して研究を進めているという。

・組み込み用途のコンピュータ向けカスタムLSI設計を自動化するソフトウエア:開発に要する時間とコストを大幅に削減し,多岐にわたるインテリジェント機器の大量開発を目指す。

 「組み込み向けソリューション市場は今後数年で数十億ドル規模に拡大する」(HP社研究所Compiler Architecture Research部門プログラム・マネージャ兼HP FellowのBob Rau氏)。

 「将来のデータ・センターは,1兆におよぶサービスを数十億人のモバイル・ユーザに提供しなければならない。多くの課題を乗り越えるために,まったく新しいコンピューティング・モデルが必要となる」(HP社Internet Systems Technology部門主席アーキテクト兼マネージャのRich Friedrich氏)。

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