米IBMが米国時間5月14日に,Webサービス向けインフラ・ソフト製品の新製品や新版を発表した。
「米International Data Corporation(IDC)によれば,インフラ・ソフトやサービスの市場は2005年までに500億ドル規模に達すると報告されており,当社はこの高成長市場に焦点を当てていく」(IBM社)。
またIBM Global Services社がIBM社のインフラ・ソフトを用いたWebサービスの構築に関し,コンサルティングやサポートなどのサービスを提供する。
IBM社が発表した製品の概要は以下の通り。
・「WebSphere Application Server Version 4」:
新版となる「Version 4」では,UDDI(Universal Description Discovery and Integration),SOAP(Simple Object Access Protocol),J2EE(Java2 Enterprise Edition),WSDL(Web Services Description Language),XML技術などに対応。キャッシング機能を向上させ,処理速度を200~300%高めた。さまざまなコンピュータ環境にあるアプリケーション間の連携を管理する管理も向上させた。2001年6月30日に出荷を始める予定。
・「WebSphere Studio Technology Preview for Web services」:
開発ツール。Webサービス・アプリケーション開発と動作テスト,配備をサポートする。7月にベータ版をリリース,正式版は9月の予定。
・「WebSphere Business Integrator」:
Webサービス・アプリケーションのビジネスへの組み込みや管理を行う。6月末に利用可能になる。
・「DB2」および「DB2/XML Extender」:
5月8日(米国時間)にIBM社が発表したデータベース製品の新版「DB2 Version 7.2」。SOAPやUDDIへの対応を加えたほか,他社のソフトウエアとの親和性も強化した。2001年6月8日にリリースの予定。
IBM社傘下のTivoli社も,以下のソリューションを提供する。
・「Tivoli Manager for WebSphere Application Server」:
アプリケーション管理ソフト。Webサービス・アプリケーションを集中管理する。
・「Tivoli Web Services Manager」:
システム監視ソフト。トランザクションなどWWWシステムの性能監視を行う。
・「Tivoli SecureWay Policy Director」:
セキュリティ・ポリシーを設定。
IBM社傘下のLotus Development社も同日,IBM社のWebサービス向けアプリケーションをサポートする協業ツールやナレッジ・マネジメント(KM:Knowledge Management),eラーニングなどに向けた製品を提供する計画について明らかにした。開発ツール「Lotus Web Services Enablement Kit」も2001年第2四半期に用意し,IBM社のWWWサイト (http://www.alphaworks.ibm.com)で提供する予定である。同サイトから「Web Services Toolkit v.2.3」も無償でダウンロードできる。
Lotus社が提供する製品の概要は以下の通り。
・「Lotus Domino Application Server」:
SOAPやWSDLに対応するを加えた。XMLやJava技術にも対応する。
・「Lotus Domino Workflow」:
業務プロセスの構築・管理機能を備える。
・「Lotus Knowledge Discovery System」:
KMシステムにSOAP対応のインタフェースを加えることができる。
・「Lotus Sametime」:
Java APIやBeansを用いたインスタント・メッセージング機能など。
・「Lotus LearningSpace」:
電子ラーニング・サービスのアプリケーション。Java対応とした。
Lotus社は6月17日から21日までラスベガスで開催する「Lotus DevCon 2001」 (http://www.lotus.com/devcon)で製品を披露する予定である。
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