米ActivMedia Researchが米国時間5月22日に,企業が電子商取引(EC)事業において重視する戦略に関する調査結果を発表した。「収益や投資回収率(ROI:return-on-investment)を高めるための長期戦略は何か」と質問し,回答を得たもの。「顧客関係の強化」(58%),「顧客に高い付加価値を提供」(52%)を挙げた企業が多かった。

 企業-消費者間(BtoC)電子商取引を手掛ける企業の多くは,「顧客満足を高めること」(46%),「充実した品揃え」(45%)を挙げた。このほか,「オンラインでのプロモーション活発化」(42%)も多かったが,「これだけでは顧客関係の強化戦略としては十分でない」とActivMedia社は分析する。

 企業間(BtoB)電子商取引企業のあいだで多かったのは,「イノベーションの提供」(39%),「価格競争力」(37%),「市場におけるポジショニング戦略」(35%)。価格戦略を挙げた企業では,利益確保のために「営業効率を上げる」(27%)を同時に挙げた企業も多かった。

 調査結果の詳細は以下の通り。

■表 企業が電子商取引事業で重視する戦略

  合計 BtoC BtoB オンライン・
コンテンツ
ISS/ISP
顧客関係の強化 58 51 66 55 67
高い付加価値の提供 52 54 52 45 52
顧客満足を高める 43 46 31 53 42
品揃えを拡充 39 45 37 34 31
広告プロモーションの強化 38 42 30 45 33
イノベーションの提供 35 32 39 37 35
市場シェアを拡大 33 35 34 45 21
低価格戦略 33 32 37 24 35
キャッシュ・フローの強化 31 31 34 34 27
ニッチ市場を攻略 29 27 35 34 23
パートナーシップの構築・拡大 28 27 24 40 29

出典:2001 ActivMedia Research LLC, "E-Survivors: Winning E-Commerce Strategies for 2001"

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