米Cisco Systemsが米国時間5月17日に,無線LANの導入が仕事に与える影響に関する調査結果を発表した。無線LANの利用によって最も効果のあったのは「時間とコストの節約」。

 このほか,「生産性が向上した」「柔軟性と正確さが高まった」「生活の質が向上した」などが挙げられた。

 この調査は,米Sage Researchが協力し,無線LANを1カ月以上利用している従業員1000人以上にインタビューを行ったもの。教育,金融,ヘルスケア,政府機関,製造,小売り販売,交通,公益などの業界が含まれる。

 節約時間は1週間当たり1~15時間とユーザによって幅があり,平均すると8時間だった。あるヘルスケア企業のITマネージャは,「節約時間は1日当たり平均3時間以上,1週間当たり約15時間にのぼる」と回答。即座に患者のカルテやファイルにアクセスできることが効果をあげた。

 時間の節約はコストの節約につながる。削減できた経費は1週間当たり30ドル~750ドルで,従業員の肩書きや給料によって異なる。ある公益企業では,270人の社員が無線LANを利用しており,1カ月当たり5万200ドルのコスト削減を実現している。

 無線LANにより,従業員は会社のビル内をはじめ,時にはビルの外からでもLANにアクセスできるようになった。企業が無線LANを導入している場所は,会議室,ホール,役員室,製造部署,メンテナンス部署,研究室,医務室,倉庫,社員食堂,図書室など。

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