米mPhase Technologiesは米国時間5月2日に,電話線使ったデジタルTV放送技術が米国特許を取得したことを明らかにした。
特許の対象となったのは,米Georgia Tech Research Corporation(GTRC)から独占的なライセンス供与を受けているデジタル・ビデオ/データ伝送システム(DVDDS:Digital Video and Data Delivery System)である。
特許番号は6,208,666で,タイトルは「System and Method for Maintaining Timing Synchronization in a Digital Video Network」。1998年11月4日に申請し,2001年3月27日に成立した。15件のクレームから成る。
GTRC社は米ジョージア州のジョージア工科大学(GIT:Georgia Institute of Technology)の研究機関であるGeorgia Tech Research Instituteが擁する特許管理会社である。
DVDDSは,電話会社が既設の電話線を使って既存の電話サービスのほか,デジタルTVの同時放送や高速インターネット接続を提供する技術。mPhase社は同技術に関し,GTRCと世界市場におけるライセンス契約を結んでおり,DVDDS製品「Traverser」やDSLサービスに組み込んでいる。
特許は,電話局と宅内を結ぶ電話線に関するもので,「通信網を介してエンド・ユーザーにデジタル・ビデオ・コンテンツやアナログ電話サービス(POTS:Plain Old Telephone Service)などの双方向データ・サービスを提供するデジタル・ビデオ/データ伝送システムに関するデジタル・ビデオ・ネットワークの同期化のシステムおよび方法」をカバーする。
この技術の特徴は,IP(Internet Protocol)を使わずにMPEG-2並みの画質のビデオ伝送が可能なこと。Video over Internet Protocolに関わる制約や低品質といった問題の影響を受けない。
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