米Intelが米国時間4月23日に,動作周波数1.7GHzの「Pentium 4」を発表した。これまでPentium 4は,1.3GHz,1.4GHz,1.5GHzと100MHz刻みだったが,今回は200MHzの動作周波数向上となった。
フロントサイド・バス(FSB)は400MHz。0.18μmルールの半導体技術で製造する。消費電力は64W。CPUコアの電圧は1.75Vである。「0.18μmで2GHzまでは可能」(インテル)。Pentium 4は「NetBurst」と呼ぶマイクロアーキテクチャを採用している。
Pentium 4と組み合わせるチップセット「850」は,RDRAMのメモリ・バンクを二つ制御できる。なおIntel社は,2001年後半にSDRAMに対応したチップセットを市場に投入する予定である。DDR SDRAM対応は2002年以降になる。
1.7GHz版Pentium 4のベンチマーク性能は,SPECint2000が573,SPECfp2000が598である。このほかのベンチマーク結果はWWWサイトで公開している(一部を下掲)。
1000個ロット時の単価は352ドル。すでに出荷を開始した。なお,Intel社は4月15日付でPentium 4をはじめとする主要プロセサの値下げを発表している。
また同社は,Pentium 4向けATXマザーボード「Desktop Board D850GB」を量産出荷することも明らかにした。
なおPentium 4への傾斜で影が薄くなったPentium IIIだが,バグの発生でリコールした1.13GHz版については,「現状ですぐさま出荷できる段階にはない」(インテル)という(「Intel,1.13GHzのPentium IIIをリコール」)。当初は,2001年に出荷を再開する予定だった(「どうするIntel,1.13GHzのPen III出荷延期で,1GHz~1.4GHzにポッカリ穴」)。
Pentium 4 processor | 1.30GHz | 1.40GHz | 1.50GHz | 1.70GHz |
SYSmark 2001 in Me | 119 | 125 | 131 | 148 |
SYSmark 2001 in 2000 | 135 | 140 | 146 | 162 |
SPECint 2000 in 2000 | 483 | 512 | 536 | 586 |
SPECint_base 2000 in 2000 | 471 | 500 | 524 | 573 |
Video2000 Performance in Me | 934 | 951 | 998 | 1047 |
Video2000 MPEG-2 Encoding in Me | 33.2 | 35.4 | 37.3 | 42.3 |
3DWinBench 2000 Processor Test in Me | 2.26 | 2.40 | 2.51 | 2.80 |
SPECfp2000 in 2000 | 510 | 538 | 558 | 608 |
SPECfp_base2000 in 2000 | 502 | 530 | 549 | 598 |
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