米Intelは米国時間12月13日に,現在建設中のアイルランドの半導体工場「Fab24」における製造開始時期を延期すると発表した。当初予定した2001年後半の開始時期を2002年後半に遅らせる。

 Fab24については同社が2000年6月19日に明らかにしていた。20億ドルの設備投資を行ない,欧州の製造事業拠点であるレイクスリップに新工場を建設するというものだった。

 Fab24では銅配線を採用した0.13μmルールの製造技術を導入する。当初は200mmウエーハで製造を行い,その後300mmウエーハに移行する計画だった。しかし今回の発表で,Intel社はこの計画を変更し,当初から300mmウエーハで製造することにした。Intel社では,「延期はこの計画変更によるもの」と説明している。

 Intel社は,米国オレゴン州ヒルズボロに300mmウエーハ専用の半導体工場を建設中で,こちらの工事は現在最終段階にある。Fab24はIntel社にとって二つ目の300mmウエーハ専用工場で,また欧州では「初めての300mmウエーハ専用工場」(Intel社)となる。

 Fab24の総床面積は100万平方フィート(約9万3000平方メートル)で,このうち13万5000平方フィートがマイクロプロセサに使うクリーンルームとなる。Intel社のアイルランドにおける製造工場関連の投資額は,およそ45億ドル規模になる(今年6月の発表時の数字)。

 なお30mmウエーハを使うと,既存の200mmウエーハに比べて面積が2.25倍,1枚のウエーハからとれるチップの数が2.4倍になり,30%のコスト削減が図れるという。

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