米Compaq Computerが米国時間4月19日に,ハイエンド機「AlphaServer GS Series」対応のLinux開発者向けソフトウエア開発キット「Advanced Developer's Kit (ADK) 」を発表した。

 「Linuxコミュニティとの密接な共同作業により開発した」(Compaq社)という。AlphaServer GS Systemで,「SuSE 7.0」または「Red Hat 7.0」とカーネル2.4を動作させるための,推奨ツールやパッチといったソフトウエアおよび文書が含まれる。

 「Linuxをマルチプロセサ構成のハイエンド機で評価したり,『Tru64 UNIX』などのOSが混在する環境でLinuxアプリケーションを使用したいと望む顧客の要求に応える」(Compaq社Business Critical Server Groupマーケティング担当副社長のRick Frazier氏)。

 ADKに先立ち,Compaq社はGSシリーズへの最初のLinuxポーティングを完了した。独SuSE AGの開発者チームと,Compaq社のAlphaServer GSおよびAlpha Linuxエンジニアが共同で作業を行った。最初のGSシリーズ対応Linuxはすでに一部のAlphaServer GS Seriesのユーザーが使用している。

 AlphaServerは最高32個のAlphaマイクロ・プロセサ構成に対応する。「AlphaServerでLinuxが利用可能になったことにより,開発者はLinuxの大企業レベルのRAS(Reliability Availability Serviceability)機能を拡充し,NUMA(Non-Uniform Memory Access)アーキテクチャなどのマルチプロセサ技術を採用できる」(Compaq社)としている。

 ADKはCompac社のWWWサイトからダウンロードできる。

 なお,AlphaServer GS Series向けLinuxは,Linuxディストリビューションの認定を受けていないため,今のところCompaq Servicesの標準サポートの対象にはならない。

 ちなみに米IDCの調査によれば,Compaq社は2000年にLinuxサーバー機全体の出荷台数で24%のシェアを占め,業界の首位に立ったという。

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