米Motorolaの研究所が進めている有機電子材料の開発プロジェクトが,米国立標準技術研究所(NIST)の技術支援プログラム「Advanced Technology Program」から785万ドルの資金を獲得した。Motorola社が米国時間4月3日に明らかにしたもの。

 ディスプレイなど向け有機材料と処理技術を開発するプロジェクトで,Motorola社は米Dow Chemical,米XeroxのPalo Alto Research Center (PARC)と協力体制を敷く。4年にまたがるプロジェクトである。

 新たに開発する有機半導体素材はディスプレイなどの用途を視野に入れる。面積の広い電子機器はコストやサイズの問題によって従来の素材で製造することは困難だが,有機半導体素材を使えば,コストの高い半導体リソグラフィではなく比較的低価格な印刷技術を利用した製造が可能になる。

 3社のチームは,新たなポリマー半導体,広面積に対応する印刷技術,さらに量産コストを見据えた実用化技術を開発する予定である。「技術開発が成功すれば,ディスプレイ,スマート・カード,車載電子機器,電子ペーパーなどの製造コストを大幅に削減することができる」(Motorola社)。

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