米IBMは米国時間11月10日に,「世界で高精細」(IBM社)とする22インチ液晶ディスプレイを出荷したことを明らかにした。

 「既存のディスプレイの12倍,トップクラスの高解像度テレビ画面より4.5倍鮮明。専門家が予想していた時期よりも10年も早く開発できた」という。

 解像度は1インチあたり200画素で,22インチ・スクリーンの総画素数は900万画素以上である。遠隔医療(テレメディスン),気象予報,出版,グラフィック・デザイン,製品開発,衛星観測などの用途に向ける。「この技術をノート・パソコンやPDAに使えば,より鮮明なビデオや静止画を楽しむことができるようになる」(IBM社)。

 カリフォルニア州にある米エネルギー省の「Lawrence Livermore National Laboratory」が最初の顧客となる。Lawrence Livermore National Laboratoryでは核兵器の操作や経年変化のシミュレーションに使う。ちなみにIBM社は2000年7月に同研究所へスーパーコンピュータ「ASCI White」を納品している。

 他の顧客に向けた出荷は2001年の見込み。メーカーへの特許技術のライセンス供与も予定する。

 IBM社は,ニューヨーク州ヨークタウン・ハイツと日本アイ・ビー・エムの大和の研究所で1995年から同製品の開発を進めていた。

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