米IBMがEUV(Extreme Ultra Violet:超紫外線)リソグラフィー技術の研究開発コンソーシアムEUV LLCに参加した。IBM社とEUV LLCが米国時間3月12日に明らかにしたもの。

 「IBMはEUVにおける光学技術と応用技術の研究開発に20年以上費やしており,これにより得た経験を生かして次世代リソグラフィー技術の候補となるEUVを支援していく」(IBM社)。

 「現在,大手LSI製造メーカー6社がEUVリソグラフィー技術の開発プログラムに加わっている。IBM社のEUV LLCへの参加で,この技術が技術的にも商業的にも成功するという我々の確信がさらに強固になった。我々は今後も機器や材料サプライヤと協力し,EUVリソグラフィーのインフラ開発を加速していく」(EUV LLC取締役会会長およびIntel社Technology and Manufacturing Group上級副社長兼ジェネラル・マネージャーのSunlin Chou氏)。

 なおEUV LLCは現在,SVGL(Silicon Valley Group Lithography)やASM Lithographyと共同でEUV技術の商業利用に向けて取り組んでいる。これにより2005年までには製造ツールの提供が可能になるという。また米国を拠点とする40社以上のインフラ企業とも協力体制を敷いており,すべての主要コンポーネントを入手可能になると説明している。

 EUV LLCは,米Intel,米Advanced Micro Devices(AMD),米Motorola,米Micron,独Infineon Technologiesなどが設立したコンソーシアムである。

 次世代LSIの製造技術であるEUVリソグラフィーとは,チップの焼付けに可視光線でなくEUVを使う技術。可視光線に比べEUVの方が「ペン先」が細いことから,より精細な加工ができ,結果として少ない面積に多くの回路を集積することが可能となる。EUV技術を使うことで,2005~2006年にはマイクロプロセサの動作周波数が10GHzを超えるという。

 なお米Intelは米国時間3月8日に,同社の技術者がEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィーのフォトマスク(マスク)製造技術の開発に成功したと発表している(詳細は,「ムーアの法則はあと10年は大丈夫,米インテルが微細プロセス向け基盤技術を開発」を参照されたい)。

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