米Gartner Groupが米国時間2月14日に,「コンサルティングなどIT関連のプロフェッショナル・サービス市場は,2004年まで年平均成長率19%で拡大する」との調査結果を発表した。

 Gartner社はITプロフェッショナル・サービス市場を「製品サポート」と「プロフェッショナル・サービス」の二つのカテゴリに大別し,後者をさらに,(1)コンサルティング・サービス,(2)開発およびインテグレーション,(3)教育/トレーニング・サービス,(4)IT管理サービス,(5)トランザクション処理サービス,(6)事業管理サービスの6カテゴリに分類する。

 このうち,「コンサルティング・サービス」や「システム・インテグレーション」市場の伸びは今後鈍化し,代わりに「アウトソーシングおよび管理サービス」のカテゴリが大きく伸びる。アウトソーシングおよび管理サービスがITプロフェッショナル・サービスに占める割合は,2000年の53%から2004年には57%に拡大するとGartner社は予測している。同カテゴリが伸びた分,主に「インテグレーション・サービス」のカテゴリが打撃を受けるという。

 「ITプロフェッショナル・サービス市場では,景気の減速に伴う経営環境悪化の影響は比較的軽微だ。景気の先行き不透明感から,企業は事業の拡大などには及び腰で,代わりにコスト削減や生産性向上などに向けたITソリューションの導入に力を入れ始めている」(Gartner社のアナリスト,Michele Cantara氏)。

 企業は中核事業以外の業務やIT管理などのアウトソーシングをさらに進めていく,今後も熟練したIT技術者の不足は続くという。

 企業がITサービスに費やす予算のうち20~30%は,事業部の統括者に購買や選択の権限があるとGartner社はみる。「ITサービス事業者は企業の最高情報責任者(CIO:chief information officer)やIT部門の管理職だけではなく,実際にサービスを導入する各事業部門のトップへの営業活動にも力を入れるべき」(Gartner社)。

 またネット専業のコンサルティング企業は,サービスの提供力が不十分で,今後も苦戦を強いられるとしている。「グローバル企業が持つ複数のWWWサイトを統括するインフラやデータ,アプリケーションの開発,インテグレーションなどに対応できず,力不足の状態」(Gartner社)。

◎関連記事
米国ITプロフェッショナルの給与調査,ソフト開発者の年収は15%増
米国におけるIT系管理職の年収はおよそ5万6000ドル~12万ドル
2005年のIT製品とITサービスの世界市場は約2兆6000億ドル
2005年のアジア太平洋地域におけるIT支出は6360億ドル---米調査会社
世界の中小企業によるIT関連支出は2001年に約1兆ドル---米社の調査
「企業の65%は2001年のIT予算を増額」,米ガートナーの調査
「米国企業の2001年IT関連予算は8%増」,米大手投資銀行の調査
CIOの悩みはIT投資の効果測定---マネジメント・トラックから
やっぱり足りないネット技術者 調査でわかった企業の本音
「ネット専業コンサルは壊滅状態」~米大手コンサル首脳が指摘

[発表資料]