米国企業150社を対象に行ったIT関連予算に関する調査結果を,投資銀行大手の米Morgan Stanley Dean Witterが米国時間12月20日に公表した。この調査結果によると,2001年のIT関連予算は8%増加する見込み。前年比12%増だった2000年に比べると伸び率が鈍る。またアンケートに回答した150社のCIOのうち16%は2001年のIT関連支出合計額が2000年を下回るだろうとの見解を示した。

 「調査時における経済状況や金融市場,企業収益,政治状勢などの不確定さを考慮すれば今回の調査結果は驚くにはあたらない。また2000年問題後の好景気や2000年初めのドットコム騒ぎなどで,各企業はIT関連予算の大半を2000年前半につぎ込んでしまった」(Morgan Stanley Dean Witter,Technology Groupマネージング・ディレクタ,Charles Phillips, Jr.氏)。

 回答者の14%は,経済状勢を見極めながら2001年前半は支出をおさえ,後半に予算の大半を投入すると答えた。また12%は現在の経済および産業の状況に応じて,2001年のIT関連予算削減を最近実施したという。

 このほかの主な調査結果は以下の通り。

  • 支出が増加した分野のトップ3は,データベース,マーケットプレース構築用ソフト, ECサイト構築用ソフトなど。第4位はネットワーク設備への投資だった。
  • 回答した各企業とも,UNIXサーバー購入予算の増加率はIT関連予算全体の伸び率8.1%を上まわる。
  • 2001年はメインフレームとコンサルティングにかける予算が主に削減される。
  • IT関連予算の40%は対外支出に割り当てられる。内訳は,ハードウエアが30%,サービスが25%,通信が23%,ソフトが22%。
  • 2000年と比べると支出が大きく膨らむのは,電子商取引,SCM(Supply Chain Management),アプリケーション・サーバーの3分野。
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