米Gartner GroupのDataquestが米国時間1月31日に,中南米のパソコン市場に関する調査結果を発表した。

 2000年における中南米のパソコン出荷台数は690万台を超え,1999年と比べて50%伸びたという。

 消費者向けパソコンの出荷台数は約270万台で,前年から77%増加。企業向けは370万台で前年から35%増えたものの,伸び率は低下した。

 「消費者分野における成長の原因の一つは,1999年に実施したブラジルの平価切り下げ以来,景気が回復したこと。ブラジルの平価切り下げはアルゼンチンにも影響を与えた。消費者向けパソコンの需要は特にブラジルで伸びている。企業向け分野については,企業がアプリケーションのWindows 2000対応を検証するまでパソコンの買い控えをしたために,部分的な影響をこうむった」(Gartner Dataquest社Latin American調査部門副社長兼チーフ・アナリストのLuis Anavitarte氏)。

 2000年におけるパソコン出荷台数は50%伸びたものの,上位メーカーの市場シェアはわずかながら縮小した。

■表1 中南米におけるメーカ別パソコン出荷台数(速報値)

メーカ 2000年の出荷台数 2000年の市場シェア
(%)
1999年の出荷台数 1999年の市場シェア
(%)
成長率
(%)
Compaq Computer 1,459,804 21.1 1,022,580 22.1
IBM 421,450 6.1 398,546 8.6 5.7
Hewlett-Packard 370,935 5.4 266,272 5.8 39.3
Acer 322,755 4.7 315,777 6.8 2.2
Dell Computer 226,928 3.3 167,746 3.6
Alaska 218,879 3.2 175,686 3.8 24.6
その他 3,897,275 56.3 2,272,491 49.2 71.5
合計 6,918,026 100.0 4,619,098 100.0 49.8

注:デスクトップ・パソコンとノート・パソコンを含む

出典:Gartner Dataquest社

 2000年における中南米のノート・パソコンの売上高は,1999年と比べて37%増となった。米Compaq Computer,台湾のAcer,米Hewlett-Packard(HP)が市場シェアを拡大した。

 地域別でみると,ブラジル,メキシコ,チリ,アルゼンチンが好調だった。メキシコのパソコン出荷台数は25%増加し,チリは37%,アルゼンチンは37%伸びた。

 2000年第4四半期における中南米のパソコン市場は前年同期と比べて53%の成長をみせた。しかし,2001年に業界は困難に直面することになると,Gartner Dataquest社は指摘する。

 「第4四半期の結果から,2001年は特にメキシコで成長鈍化が考えられる。米国経済の変化が中南米の取引企業に影響を与えるためである」(Anavitarte氏)。

◎関連記事
【市場調査・分析】
「大スランプ! Q4の米国PC市場は台数ベースで前年同期比0.3%増」と米IDC
「2000年PC世界市場は14.5%増,米国市場は10.3%増と減速」と米データクエスト
【TechWeb特約】脱PC化進める米国パソコン・ベンダー,行く手に壁
【アナリストの眼】米パソコン市場,消費者向けの伸びが鈍化し,企業向け市場も不安定に-
米国経済のITリセッション突入で,日米の力関係が逆転に向かう?
「PCの買い換え期は来年,米国企業向け市場は25%成長」とデータクエスト

【パソコン関連企業決算関連】
米マイクロソフトの12月期決算,売り上げ,利益ともに1桁の伸びに
米アップルの12月期決算,純損失1億9500万ドルで3年ぶり赤字,売上高は57%減
AMDの2000年決算,売上高,利益ともに過去最高を記録,x86のシェアは17%に
Intelの2000年通年決算,売り上げが過去最高の337億ドル,14年連続で増加
米デルも2000年11月~2001年1月期の業績を下方修正

[発表資料へ]