調査内容 2007年第4四半期のIT予算額
調査時期 2007年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2515件(1009件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスが行った企業情報システム担当者調査で,回答者が執行・承認権限を持つ2007年10月~12月四半期のIT予算規模を聞いたところ,「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」(算出方法は下記注釈参照)は約3550万円。現在と同じ選択肢になった,ちょうど1年前の2006年12月調査(2006年10月~12月期)の約2150万円と比べると約65%のアップ,前回の2007年9月調査(2007年7月~9月期)の約2800万円からは約25%増えた。2007年6月調査(2007年4月~6月期)の約4430万円には水を開けられたが,2007年3月調査(2007年1月~3月期)の約3840万円に近いレベルで,現在と同じ選択肢での5回の四半期予算調査の平均額では3番目に大きい。

 「3000万円以上5000万円未満」「5000万円以上1億円未満」「1億円以上3億円未満」「3億円以上」を合わせた“高額予算”を持つ回答者の比率は今回21.5%。1年前の2006年12月調査の13.7%や前回2007年9月調査の15.4%と,前々回2007年6月調査の25.1%のほぼ中間の値になった。

 1月17日付けの記事で紹介したように,今回の調査では「前年同期比の四半期予算の増減率」の設問の平均値は+1.5%だった。「今期の予算額」の回答を平均すると,1年前の2006年12月調査(2006年10月~12月期)に対して約65%アップというのは,やや矛盾した結果である。ただし,2006年12月調査と2007年12月調査(今回)の平均値の差約1400万円のうち約1300万円分は,四半期の予算額を「1億円以上3億円未満」とした回答が3.6ポイント,「3億円以上」とした回答が1.4ポイント増えたことが効いている。今回の「今期の予算額」への回答数414件からすると,約25件分の“超高額予算”の回答が,1年前と今回の調査の平均予算額の差約1400万円の大半を左右した計算になる。

 2006年12月調査(回答数570)と今回の回答者の属性を見ると,「全社の情報システム」に担当・関与しているという回答者が,2006年12月調査では58.4%,今回は66.2%で約8ポイント増えている。また「担当システムの利用者規模」は,「3000人以上5000人未満」「5000人以上1万人未満」「1万人以上」という“大規模システム担当者”の回答者の比率は2006年12月調査と今回調査でほぼ同じだが,「10人未満」が2006年12月調査の21.1%に対して今回調査は12.5%で約9ポイント減。「10人以上50人未満」「50人以上100人未満」の回答を合わせると,2006年12月調査では「利用者100人未満のシステムの担当者」が回答者の過半数を占めていたのに対し,今回は35.5%に減っている。

 本調査の回答者の属性は,2007年2月調査以後は今回まであまり大きく変動していない。しかし2006年12月調査に比べると2007年12月調査(今回)は,「全社システム」の担当者の比率が高く,「小規模システム」の担当者の比率は低い。「予算の増減率」の平均が前年同期比+1.5%にもかかわらず,1年前の調査での「平均予算額」と今回の「平均予算額」に1.6倍以上もの大きな開きが出たのは,このことが影響していそうだ。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者のうち,何らかの予算執行・承認権限を持つ人を対象に,執行・承認の権限を持つシステム予算(四半期分)の総計を聞いた。新規購入や開発中の案件がなく、四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い、減価償却費のみの場合、それらの本四半期分の総計額が属する範囲を選ぶよう求めた。外注の開発・運用要員の人件費は含めるが、自社内の開発・運用要員の人件費は含めない。
 本文中の「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」は,選択式回答の「本四半期はゼロ」を0,「100万円未満」を50万円,「100万円以上300万円未満」を200万円,「300万円以上1000万円未満」を650万円,「1000万円以上3000万円未満」を2000万円,「3000万円以上5000万円未満」(4000万円に換算),「5000万円以上1億円未満」(同7500万円に換算),「1億円以上3億円未満」(同2億円に換算),「3億円以上」(同4億円に換算)に換算して平均した。なお,初回の2006年9月調査(2006年7月~9月期)は,調査の対象が「全社情報システムの担当者」のみで,選択肢の上限が「3000万円以上」だった。
 調査実施時期は2007年12月中旬,調査全体の有効回答は2515件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1009件。

図●最新四半期(2007年10月~12月)のIT投資予算の平均値(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,n=414)