所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当している情報システムの範囲を聞いた(複数回答)。今回も前回2007年11月調査とほぼ同じく,約3分の2の回答者が「全社の情報システム」,4割強が「部門の情報システム」担当,約3割が「事業所の情報システム」,約25%が「ワークグループの情報システム」を担当している。いずれも前回調査での値と1.2ポイント以内の微増/微減だった。

図1●回答者のうち情報システム担当者の担当範囲(複数回答,n=1007)

 所属企業・組織で情報システムを担当していると明示した回答者に,担当分野を聞いた(複数回答)。アプリケーション系8分野(「その他」を除く)では,今回も会計システムを担当しているとした回答者が,前回2007年11月調査からは0.6ポイント減ったものの,最も多く26.8%。「生産管理」が前回調査から4.0ポイント増え21.4%,「人事・給与」が同1.6ポイント増の20.2%,「SCM」が同1.2ポイント増の9.2%,とやや変化が見られたが,残り4分野は前回調査とほとんど変わらず,0.6ポイント以内の微増/微減に収まっている。

 業務横断的なシステムのインフラ7分野(「その他」を除く)は前回調査との違いがほとんどなく,「ネットワーク」系が前回調査より2.5ポイント増えた(55.2%)が,その他の6分野は1.3ポイント以内の増減である。

 「新規システム開発」,「既存システムの再構築」,「運用・保守開発」の別の担当者の比率は,ともに前回調査から小幅の減少(順に2.9,4.6,1.3ポイント減)である。ハード購入担当者の比率は0.8ポイント増,ソフト購入担当は1.3ポイント減少した。

◆注
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。

図2●回答者のうち情報システム担当者の担当分野(複数回答,n=1009)

 回答者のうち情報システム担当者の勤務先の業種,所在地,上場の有無,担当システムの利用就業者規模の比率は図示した通り。業種,担当システムの利用就業者規模,所属企業・組織の上場の有無の比率はほぼ前回と同じ比率で,最大でも1.5ポイント程度の変動幅である。業種別で「製造業」が今回は30.5%(前回2007年11月調査は30.4%,2007年10月調査では30.8%,2007年9月調査では29.5%),「流通業」がやや少なく10.1%(同12.7%,11.2%,9.9%),「サービス業」が39.5%(同39.8%,40.5%,42.4%)。「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」業種の回答者の比率は25.9%(同24.4%,26.8%,27.4%)だった。

 回答者の勤務先の所在地(脚注参照)は4割弱が「東京都」,次いで「関東(東京都を除く)」と「近畿」と「東海・北陸・甲信越」がそれぞれ15%前後を占めている。

 回答者の担当しているシステムの利用者規模は,300人未満が今回やや多く53.5%(同51.5%,51.3%,53.2%),300人以上1000人未満が17.8%(同20.0%,18.8%,17.9%),1000人以上の比率が27.5%(同27.3%,28.6%,28.2%)。上場企業の比率は27.3%(同28.5%,28.1%,28.6%)。

◆注
 本文中の「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 なお,本調査で有効回答としている「情報システム担当者」は,所属する企業・組織で,『自社業務の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当』している人を指す。対象は全社システムに限らず,部門や事業所・拠点内の小規模な情報システムも含む。勤務先の所在地は,「全社の情報システム」の担当者は本社の,それ以外は担当の「事業所」「部門」「ワークグループ」の所在地を回答してもらった。
 所属が情報システム子会社でも,親会社のためではなく『自社の業務遂行のために行う自社の情報システムにかかわる業務を担当』していれば,本調査での「情報システム担当者」に該当するものとした。

図3-1●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の業種(n=1009)

図3-2●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の所在地(n=1009)

図3-3●回答者のうち情報システム担当者の勤務先の上場の有無(n=1009)

図3-4●回答者のうち情報システム担当者の担当システムの利用就業者規模(n=1009)