日経マーケット・アクセスが行った企業情報システム担当者調査で,回答者が執行・承認権限を持つ2006年10月~12月四半期のIT予算規模を聞いたところ,「100万円未満」が約3分の1,「100万円~300万円」と「300万円~1000万円」と「1000万円~3000万円」の合計が約4割弱を占めた。「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」(算出方法は下記注釈参照)は約2150万円だった。

 今回の調査では,全社システムにIT予算執行・承認権限を持つ回答者だけでなく,部門や事業所,ワークグループ単位のIT投資にだけ執行・承認権限を持つ回答者も含んでいる。前回2006年9月調査では選択肢の上限だった「3000万円以上」が約3分の1を占めたが,今回は「3000万円~5000万円」,「5000万円~1億円未満」,「1億円~3億円」,「3億円以上」に4分割したところ,合計で14%弱にとどまった。前回2006年9月調査が多くの企業で半期末にあたる時期だったのに対し,今回は年度の第3四半期末で,IT投資の年間変動でみると谷間の時期に当たることが影響しているだろう。

 ここでは図示していないが,回答者が担当・関与するシステムの利用者規模(下記注釈参照)で分けてみると,「300人未満」(有効回答407)は四半期の平均予算が747万円(前回は1122万円),「300人以上1000人未満」(同62)は同3215万円(前回は2188万円,「1000人以上」(同99)は7304万円(前回は3014万円)となった。ただし前述の通り前回2006年9月調査では「3000万円以上」を選択肢の上限にしており,直接の比較は難しい。

◆注
 調査実施時期は2006年12月上旬~中旬,調査全体の有効回答は6066件,うち情報システム担当者の有効回答は1294件。本文中の「平均の予算額(四半期予算平均額INDEX)」は,選択式回答の「本四半期はゼロ」を0,「100万円未満」を50万円,「100万円以上300万円未満」を200万円,「300万円以上1000万円未満」を650万円,「1000万円以上3000万円未満」を2000万円,「3000万円以上5000万円未満」(4000万円に換算),「5000万円以上1億円未満」(同7500万円に換算),「1億円以上3億円未満」(同2億円に換算),「3億円以上」(同4億円に換算)に換算して平均した。平均値は2152.4(万円),標準偏差は6611.2(万円)だった。
 「利用者規模」は,「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員,パート/アルバイト,派遣就業者を含む)」について聞いたものである。

図●最新四半期(2006年10月~12月)のIT投資予算(回答者が予算執行・承認権限を持つ範囲の総額,n=570)