2011年、スマートフォン関連ニュースはAndroidとiOSが席巻した。2011年のスマートフォン/タブレット関連ニューストップ20を振り返りつつ、2012年を展望していこう。

 最初にあらためてスマートフォンの定義を確認しておきたい。業界団体のモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が以前策定した定義によると、スマートフォンとは「仕様が公開された汎用的OSを搭載し、利用者が自由にアプリケーションを追加して機能拡張やカスタマイズができる携帯電話およびPHS」のことである。タブレットはスマートフォンの特徴を踏襲しつつ、画面サイズが7インチ以上のものを指すことが多い。

 「仕様が公開された汎用的OS」という点をアプリ開発のためのAPI(Application Programming Interface)が公開されていると捉えると、シェアなどを勘案したスマートフォン向けOSとしては、主に以下のものが挙げられる。

 (1)2008年にフィンランドのノキアが取得し、今後は米アクセンチュアに事業が移管されるSymbian OS、(2)米グーグルが開発するAndroid、(3)米アップルのiPhone/iPad向けOSであるiOS、(4)米マイクロソフトのWindows Phone、(5)カナダ リサーチ・イン・モーション(RIM)のBlackBerry OS、そして(6)米ヒューレット・パッカード(HP)がオープンソース化すると発表したwebOS、である。もちろん、これら以外にも海外の携帯電話メーカーやEC事業者などが独自に開発しているOSもある。

トップ20本中、18本がAndroidとiOS関連ニュース

 かなりOSの種類は多いが、ランキングを見ると各OSの存在感の違いがはっきりする。2011年のスマートフォン関連ニュースのランキングトップ20までに、Android関連ニュースが10本、iPhone/iPadが8本入っている。そして残り2本はWindows Phone関連記事だ。事実上AndroidとiOSの一騎打ちといった様相だった。

2011年スマートフォン関連記事ランキング
(2011年1月1日~12月11日)
1位iPhone 4S、KDDIとソフトバンクでは何が違う?
2位『iOS 5』に隠された6つの新機能
3位iPad 2の新機能、使い勝手を試す
4位「ドコモのiPhone」は“不毛の地”を変えるか
5位NTTドコモ、GALAXY Sなど3機種のバージョンアップを7日に実施
6位Amazon新タブレットは「真のiPadキラー」
7位「未来は選べる」、消えた「Android au」--KDDI田中社長が訴えたこと
8位Windows Phoneの「Office」は使えるのか?
9位NTTドコモの新Android機は、薄型日本仕様、14.4Mbps通信、3.0搭載タブレットの3機種
10位Apple、iPhone/iPad向けOSの最新版「iOS 4.3.2」を公開
11位「最高のエンターテインメント・スマートフォンを目指した」、Xperia arc説明会
12位「持ちやすくて疲れにくい」ソニーのタブレット新端末「Sony Tablet」を体験してみた
13位ドコモが冬春モデル24機種、Xi対応Android機などスマホが14機種占める
14位「iPhoneの新モデルに投資家は失望」、米欧のメディアが報じる
15位日本通信が7インチのAndroidタブレット「Light Tab」、縛りなしで3万9800円
16位au版iPhone 4Sを販売できるのは2600店中850店舗
17位NTTドコモが2011年夏モデル24機種を発表、Androidスマホが主役
18位ソニー・エリクソンが日本向け「Xperia acro」を発表、ワンセグやFeliCaなど搭載
19位『iPhone 4S』:知っておくべきポイント
20位マイクロソフトがWindows Phone 7最新情報を公開

 一方、かつてスマートフォン向けOSとして一世を風靡していたSymbianやBlackBerry関連ニュースはトップ20には一切入っていない(今でも過去の蓄積があるためグローバルで見れば台数シェアは高い)。20位以下のニュースでは取り上げられてはいるものの、その状況を反映してかどちらかといえばネガティブなニュースとなっている。