オープンソース/Linuxカテゴリのニュース、2010年のアクセスランキングはKNOPPIXとUbuntuが上位に並んだ。自治体での採用が増えたOpenOffice.orgや、名前を冠したラーメンが登場したRubyも話題になった。

 KNOPPIXは、CDまたはDVDで起動するLinux。ドイツのKlaus Knopper氏が開発し、独立行政法人 産業技術総合研究所の須崎有康氏が日本語化や改良を行っている。須崎氏は今年、2010年度の「日本OSS貢献者賞」を受賞した。

 Ubuntuは,英Canonicalが支援するUbuntuコミュニティによって開発されているLinuxディストリビューション。洗練されたデザインや使いやすさで人気だ。日本ではUbuntu Japanese Teamが日本語コミュニティの運営や日本語 Remix CDの作成などを行っている。

 OpenOffice.orgはMicrosoft Officeとの互換性が高いオープンソースのオフィス・ソフト。ライセンス料が無償であることから採用を表明する自治体が増加しており、2010年は大阪府交野市北海道深川市愛知県豊川市などでの採用表明が話題になった。

 日本初のオープンソースのプログラミング言語Rubyも、様々な形で話題になった。松江市の食品会社は「Rubyラーメン」を発売した。売上の一部をRuby支援のため寄付する。また福岡県は九州工業大学などと協力し、Rubyを効率よく実行するLSI「Rubyチップ」の開発に乗り出した。

ITpro オープンソース/Linux ランキング
(2010年1月1日~12月12日)
1位 LCATで起動を3倍高速化したKNOPPIX 6.2DVD 日本語版,産総研が公開
2位 注目集める「Ubuntu Linux」,デスクトップ版とサーバー版の違いを探る
3位 最新版KNOPPIX 6.0.1の日本語版が公開
4位 2年ぶりの長期サポート版 Ubuntu 10.04 LTS リリース、ソーシャルやクラウド対応を強化
5位 GoogleがWord,Excel,PowerPoint互換のStarSuiteを日本語版も含め無料配布
6位 Google、最新Webブラウザ「Chrome 4」を正式公開
7位 「IPAexフォント」が無償公開、IPAフォントの等幅とプロポーショナルを統合
8位 松江市の食品会社が「Rubyラーメン」発売、売り上げの一部でRuby支援
9位 大阪府交野市がOpenOffice.orgとODF採用、中古PCのLinuxによる再生も
10位 Mozilla、次期Webブラウザ「Firefox 3.6」のRC1版リリース
11位 ライフハックの人気手法をチームで実践できるフリーのタスク管理ソフト「tugboat.GTD」,新版公開
12位 Ubuntu 10.04 LTS Desktop 日本語 Remix CD、Japanese Teamがリリース
13位 モバイル基盤「Symbian」が完全オープンソース化、全ソースコードを公開
14位 「OpenOffice.org 3.2.1 日本語版」リリース、ロゴを刷新
15位 Google、JPEGの置き換え狙う画像フォーマット「WebP」を公開
16位 Google、Webブラウザ「Chrome」の最新安定版をリリース
17位 Mozilla、次期Webブラウザ「Firefox 3.6」のRC2版をリリース
18位 北海道深川市がOpenOffice.orgを標準オフィスソフトに、収録CD配布も
19位 経産省の「ネット審議会」はオープンソースのSugarCRMで90万円、ソースも公開へ
20位 組み込み向け「軽量Ruby」と「Rubyチップ」、福岡県が経産省の事業で開発へ