「NFV」(Network Functions Virtualisation)というキーワードが、急速に注目を集めつつある。“ネットワーク機能の仮想化”と訳せるこのコンセプト。キーワードが登場してからわずか1年あまりだが、SDN(Software-Defined Networking)と並んで、ネットワーク業界の最大のトピックになってきた。
NECはいち早く、NFVのコンセプトを具現化したソリューションを商用化。スウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアソリューションズ&ネットワークス(NSN)、中国ファーウェイ、仏アルカテル・ルーセントといった大手ベンダーも、NFVを大きなトピックとして扱うようになった。さらにはNFVを扱うスタートアップベンダーも登場している(表1)。
なぜ通信業界でNFVにこれほど注目が集まっているのか。
表1●ITproの主なNFV関連記事
NEC | NECがNFVを商用化、まずは仮想化モバイルコア「vEPC」を販売開始 (2013/10/22) |
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エリクソン、ノキアソリューションズ&ネットワークス | エリクソンとノキアが考える2020年の通信インフラ (2013/11/11) |
ファーウェイ | 中国ファーウェイが考える無線の進化とキャリア網のSDN化 (2013/03/01) |
アルカテル・ルーセント | 世界で最も進化したSDNを作る (2013/08/30) |
ニュアージュネットワークス | DC内ネットワークには「抽象化、自動化」という2つの変化が必要だ (2013/09/05) |
コネクテム | 大手ベンダーが提供しているのは本来のNFVではない (2013/10/31) |
ウインドリバー | ハイパーバイザのリアルタイム応答性を大幅に向上、ウインドリバーがNFV向けKVM投入 (2013/07/31) |
通信サービスの形を変えるNFV
NFVとは、これまでハード/ソフトが一体的に提供されてきたネットワーク機器をハードとソフトに分離し、汎用サーバーの仮想化基盤上でネットワーク機能を実現する取り組みだ(図1)。汎用サーバーを使うことによるコスト削減や、柔軟なネットワーク構成、迅速なサービス立ち上げなどが可能になることが期待されている。