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米国のニュース収集サイトを活用する今からちょうど1カ月前のことになるが,米MSNBC.comがニュース収集サービス「MSNBC Newsbot」(ベータ版)のリニューアルを発表した(関連記事)。MSNBC.comは米NBC Newsと米Microsoftの合弁企業。「4800以上のニュース・ソースから,パーソナル化したニュースを提供する」(Microsoft社)というだけあって,使い込んでいくとなかなか便利なツールになりそうだ。 しかし実はこれ,米Googleが先に始めていた「Google News」(関連記事)とよく似ている。ともに,同じあるいは関連したニュースの,URL,見出し,本文の一部を複数のニュース・サイトから引っ張ってきて,並べて表示する。同じニュースを扱った記事でもメディアにより,記事の詳しさや論調が違っていたりするので,それらを効率よく見比べられる。 筆者のように海外情報収集を専門にしているものには,どちらも日常の情報収集ツールとして重宝しそうである。専門でない人でも,何かの必要で海外ニュースを集める場合に,通常の検索サイトとは違った,ニュース収集向きの使い勝手の良さが役立つだろう。今回は,この2つのサービスについてレポートしよう。 ■ニュース選びに検索技術を活用 まずは,先陣を切ったGoogle Newsから。こちらもMSNBC Newsbot同様,無償提供のサービスで,現在ベータ版である。検索技術を使って実現しているところも両者は同じである。 Google Newsの場合は,4500のソースからニュースを自動収集している。画面上にはトップ・ニュースがあり,自動的に選ばれたニュースがここに入る。その下には「Business」「Sci/Tech」といった分野別のカテゴリがあり,それらにも自動でそれぞれのニュースが入る。 また同じ内容のニュースは1カ所に集められ,ブログのように最新のものが画面の上に表示される。例えば本原稿執筆時点では,「NTTドコモと米Motorolaが第3世代携帯電話で提携」というニュースが出ているが,最上部にあるのは米Cool Tech Zoneによる記事で1時間前に収集されたものだ。次にオーストラリアAustralian IT(2時間前),米InfoWorld(5時間前),ノルウェーInfoSync(8時間前)と続いており,これらのリンクをクリックすると,それぞれのメディアの記事ページにジャンプし,全文が読める。 また,関連ニュースの一覧を見ることも可能で,その場合は末尾にある「all 116 related」をクリックする(このNTTドコモのニュースの場合は記事数が116あり,これをクリックするとその一覧が表示できるという意味)。ちなみにこうした記事の中にある写真や画像も(どれか1つをとってきて)各ニュース欄に表示している。その写真/画像をクリックしても掲載するサイトに飛ぶ,と芸が細かい。 ニュースの保存期間は30日で,この範囲なら検索が可能。また指定したキーワードのニュースがあったときには,電子メールで通知してくれるアラート・サービスも用意している。現在は米国のほかに,オーストラリア,英国,フランス,イタリアなど,合計10カ国のバージョンを提供しており,それぞれでその国のニュースが多く表示されるようになっている。残念ながらまだ日本版はない。 Google社の説明によれば,こうした一連の作業には人間の手作業が一切入っていないという。トップ・ニュースの選択やカテゴリ分けはすべてコンピュータ・アルゴリズムでやっており,その基準は「Web上でニュースが登場する頻度や,各記事がどのサイトで,どのように掲載されているかなど」という。もちろん同社の検索技術を使って実現しており,「(検索同様に)どの情報が最も価値があり関連性があるかという判定は,Webパブリッシャの集団的な判断に大きく頼っている」(Google Newsの説明サイト)とする。 ■まるでAmazon.comのような感覚 一方のMSNBC Newsbotの使い勝手もGoogle Newsとほぼ同じだ。ただしこちらの場合は,Microsoft社の認証技術「.NET Passport」でログインすると利用できるパーソナライズ機能がある。この機能にはさまざまなものがあるが,そのベースとなるのは,自分が過去に読んだ(クリックした)記事の履歴を一覧表示する「Your history」である。 おもしろいのはお薦めの別ニュースを表示する「Personalized News」。これは,履歴一覧を参考に,関連する別のニュースを自動的に提案・表示するというもの。画面に「Why」というリンクがあり,それをクリックすると,なぜそのニュースを提案したのか,その理由が記述してある。「あなたが過去に以下のニュースを読んだので,このニュースを選びました」という具合だ。 過去の検索文字列の履歴も画面上に表示してくれて,毎回,同じ検索語を再入力しなくてすむ。また,Google Newsの「all xxx related」に相当する「More photos & full coverage」(同じ内容のニュースの一覧表示)をクリックすると,画面右に「この記事を読んだ人はこんな記事も読みました」と出てくる。もちろん,人気記事のランキング「Most Popular Articles」もある。さながらAmazon.comで商品を選んでいるような感覚だ。後発の強みか,至れり尽くせりのサービスに仕上がっている。 ただし,MSNBC Newsbotの場合はメール・アラートがないこと,またMSNBCや,提携するThe Associated Press(AP)からのニュースが多くなっていることがGoogle Newsとは異なる。 ■自社のネット上の評判をチェック ところでこのMSNBC Newsbotは,Microsoft社の検索技術と,米Moreover Technologiesのニュース収集技術を組み合わせて実現しているという(記事リンクにMoreover社のURLが付いていることからもそれが分かる)。このMoreover社というのは,Webの情報収集ソリューションを手がける会社で,業界の先駆的存在だ。 使っている技術はRSS(技術解説記事)。同社の資料によれば,同社はRSS 1.0の共同開発者。その技術的な強みを生かして,他社にはまねのできないスピードと柔軟性で顧客向けアプリケーションにソリューションを統合しているとのことだ(Moreover社の資料) その顧客には,米Ask Jeevesや米AltaVista,米PeopleSoft,そしてMicrosoft社が名を連ねている。Ask JeevesとAltaVistaは自社が提供する検索サイトでMoreover社の集めたコンテンツをユーザーに提供している。こうすることで自社検索サイトに付加価値を付けてユーザーを増やそうとしているわけだ。ところがPeopleSoft社とMicrosoft社の場合は少し違う用途でMoreover社を利用している。実はこちらの方がMoreover社の主力商品で,ここに米国で同社が活躍してきた背景がある。 Moreover社のサイトを見ると,同社は「Connected Intelligence(CI)」というブランドでソリューション製品群を展開しているのが分かる。この中にはもちろん検索サイトに提供しているもの(「ci-metabase」という名称)もあるが,その大半は企業の情報収集ソリューションである。これらを何の目的で使うかというと,企業が競争相手やインターネットの風評から自社を守るためである。 Webでは瞬時にして情報が世界中を駆けめぐる。名の知れた掲示板で,自社の悪いうわさが流れたり,自社の偽情報が流れたりなど,企業は頭を悩ますばかりだ。そんなマイナスの情報を一刻も早く察知して,しかるべき措置をとりたいが,それには,膨大なお金/人員がかかってしまう。ネット先進国である米国ではこうした危機感が早くからあり,その要望に応えるべくいち早く広まったのがMoreover社のサービスだった。同社のConnected Intelligence(CI)で,Corporate Identity(CI)を守ろうというわけである。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
話を戻そう。日本でもブログの普及に伴いRSSが一般的となり,ヘッドラインを公開するサイトが増えてきた。日本ではニュースの見出しは著作物か否かという問題があるのだが,こうしたことは米国ではあまり聞かれない。だからこそ,MSNBC NewsbotやGoogle Newsのようなサービスが成り立つのだろう。そして,これらのサービスは結構評判もよく,便利そうだ,というのが今回の感想である。 筆者としては,MSNBC NewsbotやGoogle Newsを活用して,さまざまな論調の米メディアを効率よくチェックし,それをいち早く読者に伝えられればと思っている。読者の皆さんも時間のあるときに,一度,気になるキーワードで海外ニュースをチェックしてみてはいかがだろう? ◎関連記事 連載新着記事一覧へ >>
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