米Alacritechと米Microsoftは,両社のあいだで争っていたネットワーク技術に関するすべての特許侵害訴訟で和解した。またAlacritech社,Microsoft社,米Broadcomの3社は,ネットワーク関連特許のクロスライセンス契約を結んだ。3社が米国時間7月13日に明らかにしたもの。Microsoft社とBroadcom社はAlacritech社にライセンス料を支払う。具体的な金額については明らかにしていない。

 Alacritech社は,同社のネットワーク・プロトコル処理負荷軽減アーキテクチャ「SLIC Technology」の関連特許がMicrosoft社の「Chimney」に侵害されたとして,2004年8月11日に提訴した。これを受けて米連邦地裁は,Microsoft社に対象技術の販売などを禁止する仮差し止め命令を出した。

 SLIC Technologyは「Dynamic TCP Offload」アーキテクチャとも呼ぶ技術。TCP/IP,RDMA,iSCSIといったネットワーク・プロトコルの処理負荷を軽減できるという。「Ethernetネットワークにおいて,システムとネットワークのボトルネックを小さくし,データを移動しやすくするので,システム,アプリケーション,ネットワークの性能を大幅に向上させ,ネットワーク速度を10Gbps以上に高められる」(Alacritech社)

 クロスライセンス契約により,Microsoft社とBroadcom社はAlacritech社の関連特許を利用できるようになった。またAlacritech社も両社のネットワーク関連特許を使うことができる。

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