米INPUTは米国時間5月24日,米国連邦政府機関のITセキュリティに関する支出について調査した結果を発表した。それによると,ITセキュリティ支出は,2005年度の61億ドルから2010年度には73億ドルへと増加する見通しである。INPUT社は増加の理由を,「2001年9月11日の対米同時多発テロ以降,あらゆる政府機関において情報セキュリティの確保が最重要課題になっため」としている。

 INPUT社連邦市場担当アナリストのChris Campbell氏は,「過去数年間に,ネットワークに打撃を与えるウイルスが急増している。このため政府機関は,現行のシステムが攻撃やセキュリティ侵害に対して万全でないと認識し始めたようだ」と説明する。

 連邦情報セキュリティ管理法(FISMA)に基づいて米国連邦議会に提出された報告によると,政府機関は情報システムのセキュリティ確保に関して,ある程度の前進をみせているという。例えば2004年に,最新のITセキュリティ・プランを用意している政府機関は前年から増加して76%にのぼったが,行政管理予算局(OMB)が目標として掲げる「2005年度末までに90%」の達成にはほど遠い。

 OMBが2001年より監視体制を強化したことから,各政府機関はセキュリティの確保に力を入れ始めている。「政府機関は,年度末までにセキュリティ・システムの認定を受けなければとプレッシャーを感じており,それが支出の増加を後押ししている」(Campbell氏)

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