米AMDが,「AMD64」アーキテクチャ・プロセサ用の仮想化技術「Pacifica」を米国時間3月30日に発表した。仕様は2005年4月にAMD社のWebサイトで公開する。同技術に対応するクライアントおよびサーバー向けプロセサは,2006年前半に利用可能とする予定。

 同技術を用いると,1台のコンピュータ・システムを複数の独立したパーティションに分け,各パーティション上で別のOSやアプリケーションを効率よく実行できるという。

 同技術について,同社は「従来のソフトウエアだけによる仮想化機能の強化/拡張を図る」と説明する。「仮想化ソリューションの複雑さを減らし,セキュリティを高める。同時に,既存の仮想化ソフトウエアとの互換性を保つことで,(それまでの)IT投資を無駄にしない」(同社)

 「プロセサ・レベルの仮想化機能を強化し,AMD64に組み込むことで,Pacificaはクラス最高の仮想化ソリューションを開発する際に必要不可欠なものとなるだろう」(AMD社コンピュテーション製品グループ,マイクロプロセサ事業部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのMarty Seyer氏)

 同社によると,米Microsoft,米EMC傘下の米VMware,米XenSourceが同技術への対応を表明しているという。

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