米Intelは,仮想化などを含むチップ技術「Vanderpool Technology(VT)」(開発コード名)の利用に必要な仕様書「Vanderpool Technology External Architecture Specifications(EAS)」の暫定版を提供開始した。Intel社が米国時間1月20日に明らかにしたもの。

 VTは,同社製プロセサ/チップセットのハードウエアを強化する技術の総称で,「プラットフォームの回復性/信頼性向上を図るもの」(同社)。1台のパソコンに複数の独立したOS/アプリケーション環境を構築し,異なる作業を実行できるようにする。

 システムの信頼性,柔軟性,応答性を向上できるだけでなく,障害発生後の復旧にかかる時間も短くなるという。「複数のサーバー機能を1台に集約でき,コスト削減やセキュリティ向上などのメリットがある」(同社)。古い環境を残したままシステムをアップグレードすることも可能なので,普段の作業を中断せず新環境に移行できる。

 EASは,同社のWebサイトからダウンロード可能。VTの概要説明と,仮想化ソリューションを設計するソフトウエア開発者向けのガイドを含む。対象は,IA-32およびIntel Itaniumアーキテクチャのプロセサ。

 VT対応のデスクトップ・パソコン向けプロセサ/チップセットは当初2006年リリースの予定だったが,同社は計画を1年前倒しして,2005年に利用可能とする。

 VTソリューションの詳細については,3月1~3日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催する予定のIntel Developer Forum Spring 2005で発表する。

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