米Microsoftは,サーバー用仮想マシン・ソフトウエア「Virtual Server 2005 Standard Edition」と「同Enterprise Edition」の提供を30日以内に開始する。Microsoft社が米国時間9月13日に明らかにしたもの。最大4CPUに対応するStandard Editionの価格は499ドル。最大32CPUに対応するEnterprise Editionの価格は999ドル。

 Virtual Server 2005は,Webベースの管理機能に加え,ストレージおよびネットワーキング機能を提供する。また,サード・パーティによる物理サーバー管理ツールを利用すれば,仮想マシンと物理サーバーを組み合わせたネットワークもシームレスに管理できる。

 Microsoft社によると同ソフトウエアは,(1)ソフトウエアの開発とテストの自動化,(2)レガシー・アプリケーションの移行,(3)サーバー統合,という3つのシナリオにおいて,ハードウエア費を削減し,運用効率を向上できるという。「例えば,サーバーの配備にかかる時間を50~95%,物理的なサーバー台数を50~80%削減できる」(同社)

 同社は,企業が分散型システムを設計,導入,運用する方法の簡易化かつ自動化を目指す構想「Dynamic Systems Initiative(DSI)」を掲げており,同ソフトウエアはその中核的な役割を果たすという。

 Microsoft社のBob Muglia上級副社長は,「当社の顧客は,アプリケーションのテストと開発を合理化し,サーバーを統合したいと考えている。また,レガシー・アプリケーションをWindows Server 2003が稼働する,新しいハードウエアに移行する必要性に迫られている」と説明する。「Virtual Server 2005は,システムの導入や設定を簡易化できるので,そのような需要に応える一方で,当社のDSI構想を推進できる」(同氏)

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