米Dellは米EMC傘下の米VMwareと提携し,「Dell PowerEdge」サーバー,Dell社が再販するEMC社製ストレージ,VMware社の仮想マシン・ソフトを組み合わせたパッケージ「Dell-VMware Virtual Infrastructure」を販売すると米国時間3月8日に発表した。「同パッケージを導入すると,1台のサーバーを複数の仮想マシンとして運用できるので,コンピューティング資源の利用効率が向上する」(Dell社)という。

 VMware社のソフトウエアで生成される各仮想マシンは,1台のサーバー上でそれぞれ独立した環境として機能し,異なるOSやアプリケーションを動かせる。仮に故障やアップグレード作業で使えない状態の仮想マシンがあっても,同一サーバーのほかの仮想マシンで動いているOSなどには影響しない。「同パッケージを利用すると,処理負荷を集約させることで実際のサーバーの台数を抑え,処理/ストレージ容量拡大とサーバー台数削減につながる」(Dell社)

 またVMware社のVMotion技術により,アプリケーションを動的に別の物理サーバーに移動できる。「月末の報告書作成や,ホリデー・シーズンのWebトラフィック増大など,業務上の負荷集中タイミングに合わせた環境変更が可能」(Dell社)

 Dell-VMware Virtual Infrastructureとして,Dell社は以下の3パッケージを用意する。

・「Dell PowerEdge 6650」サーバー,「VMware ESX Server 2.0.1」「VirtualCenter」「VMotion」

・「Dell/EMC CX300」「同CX500」ストレージ・システム, VMotion

・「Dell PowerEdge 1750」サーバー,「VMware VirtualCenter Management Server」

 各パッケージの受注は,米国で同日開始する。Intel Xeon MPプロセサを2個搭載するDell PowerEdge 6650と,内蔵ストレージ,VMware ESX Serverという構成時の価格は3万579ドルから。

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