米Juniper Networksは,VoIP装置メーカーの米Kagoor Networksを買収する。両社が最終合意に達したことを,Juniper社が米国時間3月29日に明らかにした。Juniper社は6750万ドルを現金で支払い,取引は2005年第2四半期に完了する見込み。

 Kagoor社は,VoIPやリッチ・メディア・サービスに必要なセッション・ボーダー・コントローラ(SBC)を手がける。SBCは基本的に,ネットワーク間の境界に設置し,IPトラフィックのセキュリティや信頼性を保証する。同社のSBC製品「VoiceFlow」は,世界の100以上の通信業者が導入しており,その大半がJuniper社のプラットフォームを使用しているという。

 「Juniper社のネットワーキング製品とKagoor社のSBC技術を組み合わせることで,VoIPやリッチ・メディア・サービスでコスト効果の高い運用を求めるネットワーク事業者に対して,より強力な製品を提供する」(Juniper社)

 Kagoor社は,カリフォルニア州サンマテオに本社を置き,イスラエルのヘルゼリアに研究開発部門を所有する。今回の買収により,「音声に関する深い知識と高度なスキルを持った,Kagoor社のエンジニアリング・チームが当社に加わる」(Juniper社)。

 また,Kagoor社は米Lucent Technologies,ドイツSiemens,NECなどと戦略的提携を結んでいることから,Juniper社は高いシナジー効果を期待している。

 「世界のネットワーク事業者は,企業や消費者向けに,高度なVoIPサービスやリッチ・メディア・サービスを提供することに注目しているが,これを安全性の高い方法で実現する必要がある。SBC技術はこれらの実現には欠かせない要素だ」(Juniper社Security Products Groupジェネラル・マネージャのKittu Kolluri氏)

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