「消費者はPDA,携帯電話機,インターネットを利用して生活を快適にしようと通信手段の簡素化を図っており,次世代ネットワーク(NGN)がこうした要求に対応した通信インフラになるだろう」。米Gartnerは米国時間4月10日,NGNに関する調査結果を発表した。
Gartner社では,PSTNベースの既存電話網,インターネット,無線という3種類のネットワークを単一通信ネットワークに統合したものをNGNと呼んでおり,「通信サービスのカスタム化に重点を置いた枠組み」と説明する。
Gartner社世界電気通信およびネットワーク・グループ主任アナリストのDavid Fraley氏は,「カスタム化したこの種の通信サービスは,“通話”という言葉が指す対象を大きく変える」とみる。「将来の通話には,音声,ビデオ,データ,テレビ放送,マルチメディア・コラボレーションが含まれるようになる。多くの場合,これらは単一の通信セッションに一体化するだろう」(同氏)
現在企業などの設備投資は低調だが,同社は「VoIPとNGNへの流れは止まらない」と予測する。「メンテナンス支出の先延ばしはしばらく続くが,永遠というわけではない」(Fraley氏)
同社によると,2005年にNGN装置導入状況はゆっくりとしたペースで回復を始めるという。「2005年までに,技術が成熟し,サービス・プロバイダの受け入れ体制が整い,設備投資予算の足腰が固まるという3つの要素が合流するだろう」(同社マネージング担当副社長のTim Smith氏)
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