米Yankee Groupは米国時間11月25日に,統合アクセス装置(IAD:Integrated Access Device)市場に関する調査結果を発表した。ローエンド向け市場は,2001年の1億7600万ドルが2007年に2億6300万ドルに成長すると予測される。これに対し,ハイエンドのIAD市場は,2001年の2億3500万ドルが2007年には1億5100万ドルに縮小する。同市場の新しい動向と需要の減少に対応して,プロバイダは価格に敏感なエンド・ユーザーに合わせて機能セットを縮小させているという。

 資本的経費を最低限に抑えたいサービス・プロバイダは,柔軟性の高いモジュラ型IADよりも価格の低い固定ポート設定のIADを好むようになった。市場を支配するベンダーは,この需要の移行に対応する戦略を採用して市場シェアを獲得している。

 「IADに対する全体的な需要は不均衡である。これは良好な第2次市場の存在によるものである。好況時に企業は,多くの新しい装置を購入しすぎた。市場の縮小に伴い,これら大量の装置が中古市場に持ち込まれ,新しく収益が薄いIAD市場が出現した。しかし,現在のペースで行けば,同市場は2003年末までに元のレベルに戻るだろう」(同社の通信ネットワーク・インフラのアナリストのDanny Klein氏)。

 また,VoIPに関連する懸念が軽減されるにつれ,パケット・ベースのADIが採用されるようになる。既存地域通信事業者(ILEC)は,現在TDMベースのIADを使っているが,調査対象となったすべての事業者が3年以内にパケット・ベース(大半がIP)のIADに移行を予定している。競合地域通信事業者(CLEC)は,中小企業向け集約サービスのけん引力となるように,より積極的にIPベースのデバイスを採用しているという。

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