米Juniper Networksと米Lucent Technologiesは,サービス・プロバイダ向けIPインフラ・ソリューションの共同開発/提供に関して提携した。両社が米国時間5月5日に明らかにしたもの。両社は、「共同開発するIPインフラ・ソリューションを利用することでサービス・プロバイダは運用中のネットワークを,将来にわたりさまざまなサービスを提供可能なIPインフラに刷新できる」と説明する。

 この提携により両社は,コア/データ/ブロードバンド/都市圏光ネットワーク向けの統一ソリューション・セットの提供を行う。「これらソリューションは収入源となる多様なサービスに対応しており,既存インフラによる利益の最大化,将来のネットワーク投資の最適化,サービス提供作業の簡素化に役立つ」(両社)

 両社が提供する主なソリューションの内容と提供スケジュールは以下の通り。

・IP VPN:一般的なIP/Multiservice Multiprotocol Label Switching(MPLS)コア・ネットワーク上であらゆるVPNサービスの提供を可能とする。両社の既存製品をベースとするソリューション。すでに利用可能となっている

・MPLSコア:ATM/フレーム・リレーによる売上高拡大を図り,集約型IP/MPLSコアにIPサービス機能を追加するためのソリューション。2004年第1四半期に利用可能とする

・IPセントレックス(IPベースの企業向け電話サービス):パケット・ベースのネットワーク上で,数1000人規模の企業向けサービスを提供するためのソリューション。すでに利用可能となっている

・機能強化版DSL:量販市場向けxDSLソリューションを提供可能とするソリューション。すでに利用可能となっている

・光エッジ:既存のサービス・プロバイダ・ネットワーク上で高価値Ethernetサービスの提供を実現するためのソリューション。現在両社が共同で開発中

 「我々は,現在のサービス収入の流れを断ち切らずに済む高機能ネットワークを導入するに当たり,顧客に明確な青写真を提供する。同時にこのネットワーク導入は,将来の次世代ブロードバンド/光Ethernet/IPサービスから収入を獲得する基盤となる」(Lucent社会長兼CEOのPat Russo氏)

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Juniper社CEOのScott Kriens氏は,通信事業者との契約の有無について明らかにしていないという。ただし同氏は,「見込み顧客の1社は米Verizon Communicationsで,Lucent社と当社からネットワーク装置の購入を済ましている」とコメントした。

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