米Transmetaは,マイクロプロセサ向け消費電力管理技術「LongRun2」のライセンスをソニーに供与した。Transmeta社が米国時間1月24日に明らかにしたもの。ソニーは自社の半導体製品に同技術を導入する。ただし両社は,契約期間や金額など詳しい取引条件は伝えていない。

 半導体は,微細化するほど漏れ電流が多くなり,発熱や消費電力が大きくなる。LongRun2は,プロセサの動作周波数や動作電圧を1秒間に数100回調整することで消費電力を下げ,発熱を少なくする。さらに,プロセサ内部のトランジスタのスレッショルド(しきい値)電圧も制御して,漏れ電流を減らす。スレッショルド電圧の調整は,電圧や温度などの動作環境に応じて動的に行う。

 なおTransmeta社は,1月21日に新たな事業戦略を発表し,「x86対応マイクロプロセサの開発と販売を主軸にしている現在のビジネス・モデルを2005年第1四半期に修正し,知的財産と技術のライセンス供与に焦点を移す」(同社)としていた。

 そのなかで,Transmeta社社長兼CEOのMatthew R. Perry氏は,「世界規模の民生電子機器メーカー1社と,当社にとって3件目となるLongRun2のライセンス契約を1月20日に締結した」と述べていた。同社は「マイクロプロセサ設計および開発に関しても,その他の大手企業と交渉中」としている。

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