米Hewlett-Packard(HP)は,無線ICタグ(RFID)の研究所「RFID Noisy Lab」をネブラスカ州オマハに設置する。同社が米国時間1月17日に,ニューヨークで開催中の全米小売連盟の年次総会で発表したもの。2月に開設する予定。

 「騒々しい(noisy)製造工場や流通センターのシミュレーションを行うため,Noisy Labと名付けた」(同社)という。HP社は自社製品への広範なRFID導入に取り組んでおり,同研究所の設立はその一環である。同社は大手販売店に出荷する3種類の消費者向け製品にRFIDを導入しているが,これを40種類以上に拡大する。同社の大企業向け戦略「Adaptive Enterprise」にもRFID技術を取り入れる。

 HP社は,すでに「Photosmart」プリンタの2モデルと,「Scanjet」スキャナの1モデルにRFIDを実装して,特定販売店向けに出荷している。今後は「All-in-One」プリンタ,「iPAQ」ポケットPC,「Compaq Presario」デスクトップ・パソコン,「LaserJet」および「Deskjet」プリンタ,ノート・パソコンやPhotosmartの別モデルなどを対象に,パッケージ・ラベル,ケース,パレットへのRFID搭載を進める計画である。

 RFID Noisy Labは,顧客に合わせたRFID利用のテストと検証を行い,販売店や消費財メーカーなどが優れたサプライ・チェーン管理を実現できるようにする。また,新規ベンダーによるRFID装置や技術の試験を実施するほか,顧客向けの見学ツアー,デモンストレーション,コンセプト紹介なども行う。

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