米ABI Researchが米国時間7月15日に,無線ICタグ(RFID)ベンダーに関する調査結果を発表した。ABI Research社の算出した指数「RFID Vendor Matrix」で比較すると,米Savi Technology,オランダのPhilips Semiconductors,米Texas Instruments(TI)の3社が優れていることが明らかとなった。

 RFID Vendor Matrixは,「革新」と「実装」の二つの基準でRFIDベンダーの優劣を示す指数。「革新」の判断要素としては,差別化できる知的財産の有無,研究開発活動の状況,成長市場への注力程度といった項目を検討する。一方「実装」については,実際の製品展開,契約取得状況,計画の実行状況などを計測する。

 ABI Research社は,「Savi Technology社,Philips Semiconductors社,TI社は革新および実装の両面で優れていた」としている。各社の概要は以下の通り。

・Savi Technology社:
 14年前からRFID事業に取り組み,貨物コンテナ追跡システムなどを手がける。同社のアクティブ型ハードウエア製品は,企業/公共分野で次第に普及してきた。現在同社は,サプライ・チェーン用ミドルウエア,パッシブ型技術,資産追跡製品など,提供するソリューションの拡大を図っている

・Philips Semiconductors社:
 輸送,物流管理,自動化,サプライ・チェーン,近距離無線通信(NFC)向けソリューションの設計/製造を行う。現時点では最大のRFIDメーカーではないが,今後,消費者および商業向けRFID用半導体のトップ・ベンダーになるとみられる

・TI社:
 アクセス制御,POS,自動化,サプライ・チェーン分野に向け,タグおよび読み取り装置を設計/製造する。動物追跡用のタグ/読み取り装置では大手ベンダーである。Philips Semiconductors社と同じく,これまでの実装経験を新たなRFID分野に適用できる能力を持っている

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