米Sun Microsystemsは米国時間5月5日に,RFID(無線ICタグ)のテスト・センターをテキサス州ダラスに開設したことを明らかにした。企業はSun社の「RFID Test Center」でRFID導入のシミュレーションを行うことができる。

 RFID Test Centerでは,実際の流通センターや倉庫のさまざまな条件に合わせたテスト環境を提供する。Sun社製品のほか,米ADT Security Services,米Alien Technology,米Applied Wireless Identification Group,米i2 Technologies,米Matrics,カナダのNortel Networks,米Printronix,米ProdexNet,米Provia,カナダのSAMSys Technologies,米SeeBeyond,米SupplyScape,米Texas Instruments,米Tibco,米Tyco Fire & Security,Venture Research社などのロジスティクス設備やRFID装置を備える。

 現在,米Wal-Mart Stores,米Target,米Albertsonsといった大手販売会社や米国防総省がRFID導入を推進しており,サプライヤや関連企業は,RFID規定の遵守を迫られている。Sun社グローバル・マーケット&ストラテジ部門上級バイス・プレジデントのLarry Singer氏は,「RFID Test Centerの目的は,RFID実装をテストするための技術をシステムを顧客に提供し,規定遵守を遂行するための時間とコストの削減を支援すること」と説明した。

 なお同センターでは,RFIDデータとバックエンド・システムの統合のデモンストレーションも行う。Sun社のRFID製品に対応したタグ,リーダー(読み取り器),プリンタ,無線インフラ,企業アプリケーション統合ソフトウエア,倉庫管理ソフトウエア,企業情報システム・ソフトウエアなどを手がけるベンダーと協力する。

 またSun社は,フランスのCapgeminiと共同で,RFID導入を支援するソリューションを開発することを,同日発表した。両社は,ハードウエア,ソフトウエア,コンサルティング・サービスを組み合わせ,小売り業者や消費者向けパッケージ商品(CPG)メーカーに提供する。具体的には,Sun社のサーバー向けJavaシステム「Java Enterprise System」と自己復旧機能を備えたRFIDインフラ・ソフトウエアを用いる。Sun社のRFIDインフラ・ソフトウエアは,電子製品コード(EPC)リーダーに対応する。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]