Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,複数のXML文書を1つのXML文書に統合するための仕様「XML Inclusions(XInclude)Version 1.0」を,W3C勧告(Recommendation)として公開した。W3Cが米国時間12月20日に明らかにしたもの。

 同仕様について,W3C XML Coreワーキング・グループ共同議長のPaul Grosso氏は「XIncludeを使用すると,情報を再利用可能なコンテンツ作成が容易になる」と説明する。「情報の再利用により,より経済的に,適切なタイミングで,より的確な結果を提供するという,本質的な問題解決に直接貢献できる」(同氏)

 XInclude 1.0はXML Schemaを採用しており,文書型定義(DTD)未対応の,より一般的な環境でも利用できる。DTDで用いられるXML外部実体のような仕組みと違い,外部文書が取得できない事態に対応可能なフォールバック機構を備えている。

 XIncludeを使うと,要素,属性,URI参照といった既存のXML構成要素が,アプリケーションから利用できるようになる。ほかのXML文書を新たなコンテンツに統合する際には,マークアップ文書とテキストのどちらでもインポート形式として選べる。DTDを使う際に必須だったXML実体宣言は必要ない。

 XML情報セットの統合には,XML Information Set(Infoset)を用いる。そのため,XMLの1.0および1.1の両方で利用できるほか,XML SchemaやXSL Transformations(XSLT)などのXML関連仕様や,Scalable Vector Graphics(SVG)やVoiceXML 2.0といったXMLアプリケーション仕様とも組み合わせられる。

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