Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,複数のXML文書を1つのXML文書に統合するための仕様「XML Inclusions(XInclude)Version 1.0」を,W3C勧告(Recommendation)として公開した。W3Cが米国時間12月20日に明らかにしたもの。
同仕様について,W3C XML Coreワーキング・グループ共同議長のPaul Grosso氏は「XIncludeを使用すると,情報を再利用可能なコンテンツ作成が容易になる」と説明する。「情報の再利用により,より経済的に,適切なタイミングで,より的確な結果を提供するという,本質的な問題解決に直接貢献できる」(同氏)
XInclude 1.0はXML Schemaを採用しており,文書型定義(DTD)未対応の,より一般的な環境でも利用できる。DTDで用いられるXML外部実体のような仕組みと違い,外部文書が取得できない事態に対応可能なフォールバック機構を備えている。
XIncludeを使うと,要素,属性,URI参照といった既存のXML構成要素が,アプリケーションから利用できるようになる。ほかのXML文書を新たなコンテンツに統合する際には,マークアップ文書とテキストのどちらでもインポート形式として選べる。DTDを使う際に必須だったXML実体宣言は必要ない。
XML情報セットの統合には,XML Information Set(Infoset)を用いる。そのため,XMLの1.0および1.1の両方で利用できるほか,XML SchemaやXSL Transformations(XSLT)などのXML関連仕様や,Scalable Vector Graphics(SVG)やVoiceXML 2.0といったXMLアプリケーション仕様とも組み合わせられる。
◎関連記事
■米EPCglobalがロイヤルティ無料のRFID仕様を承認,ただしライセンス料発生の懸念も
■米団体が「パブリック・ドメインに敵対する特許」10件を公表,任天堂も対象に
■米国特許商標局が米MicrosoftのFATシステムに関する特許を再審査へ
■強力特許に揺れるGISベンダー
■「IE特許問題はW3C特許ポリシーへの試練」、W3Cの責任者語る
■W3Cが特許ポリシーをついに承認。「基本はロイヤルティ・フリーだが例外の道を残す」
■「Webの標準技術に特許料を認めるか?」――W3Cを舞台に激論続く
■【TechWeb特約】W3Cの特許ポリシーで議論白熱,標準仕様に特許は馴染むか?
[発表資料へ]