カナダのResearch in Motion(RIM)は,同社の「BlackBerry v4.0」に向けた新しいJava開発ツール・セットを発表した。RIM社が現地時間11月30日に明らかにしたもの。「BlackBerry向けアプリケーションを,より柔軟に開発できるように支援する」(同社)。

 同開発ツールは,Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)に完全対応する。有用性と性能を強化するために,統合開発環境(IDE)を向上した。また,BlackBerryの電子メール,テキスト・メッセージング,Webブラウザやオーガナイザと緊密に連携したアプリケーションを開発できるように,API機能を強化した。

 JTWI,MIDP 2.0,CLDC 1.1,PDAP PIMなどのJava新規仕様の提案(JSR:Java Specification Requests)を実装するほか,エミュレーション精度を高めた新しいシミュレータ,コード・サンプル,同期ツール,XMLジェネレータなどを付属する。

 RIM社上級副社長のDavid Yach氏は,「この新しい開発ツールによって,無線データ/通信分野の開発者は無線アプリケーションを以前より容易に開発できるようなる」と説明する。

 開発ツールは,同社Webサイトで無償配布している。

 また同社は 米Microsoftの「Exchange」と米IBMの「Lotus Domino」に向けたサーバー・ソフトウエア「BlackBerry Enterprise Server v4.0」のリリースを発表した。「電子メール以外の無線アプリケーションを活用できるようにするのが狙い」(RIM社社長兼共同CEOの Mike Lazaridis氏)とする。

 BlackBerry Enterprise Server v4.0は,「Triple DES」や「S/MIME」といった暗号方式に対応するほか,暗号モジュールのセキュリティ要件「FIPS(Federal Information Processing Standards)140」に準拠するなど,セキュリティを強化した。アプリケーション・サーバーのアクセス制御も向上した。また,Webページ要求の自動キューイング機能など,オフライン機能の強化に加え,ブラウザとJava開発ツールを強化して,BlackBerry向けアプリケーションの開発と導入の簡易化を図った。

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