米Gartnerは,米国のモバイル利用に関する調査結果を米国時間10月21日,発表した。モバイル技術やサービスが急速に普及しており,米国労働者人口の45%がすでに何らかのモバイル機器を利用しているという。

 「さまざまなモバイル技術が新たなトレンドを支えている。迅速に反応/アクセスして,コラボレーションと情報取得を行う企業の仕組み『リアルタイム・エンタープライズ(RTE)』などでは,モバイルは欠かせない要素だ」(Gartner社バイス・プレジデントのKen Dulaney氏)

 モバイル技術の発展は,他の技術が同時に進歩することによって,実現してきた。例えば,電話ネットワーク,無線LAN,Personal Area Networks(PAN),ソフトウエア・インフラなどだ。今後は,スクリーン,燃料電池,音声認証ソフトウエアといった分野の新開発が,モバイル市場の長期的発展を後押しする。

 無線ネットワークは,さまざまな技術の組み合わせで,家庭や職場で利用されるようになる。2007年には,従業員が1000人を超える企業の半数以上が,5種類以上の無線ネットワーク技術を導入するとみる。「企業は,複数の無線ネットワーク技術に対応するための戦略を立てるべきである。また,消費者向け製品を開発している企業の場合,テレビやセットトップ・ボックス,ゲーム機,リモコン操作の照明システムなどとやりとりするといった付加価値を検討する必要がある」(Gartner社調査部門バイス・プレジデントのNick Jones氏)

 2003年はRFID(無線認識)タグ,無線LAN(802.11),Bluetoothを含むPANなどに注目が集まっているが,今後5年間の鍵を握るのは,低消費電力/低データ・レートの無線技術802.165.4,超広帯域無線(UWB:Ultra Wideband),複数入出力(MIMO:Multiple Input/Multiple Output)とみる。しかし,「あらゆる用途に適用できる無線技術がないため,ほとんどの企業は複数の無線ネットワーク技術を併用する」(Gartner社)

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