米IBMは,無線ICタグ(RFID)を使った小売業者や日用品販売業者向けの商品追跡/在庫管理システム導入サービスを米国時間9月15日に発表した。IBM社はイリノイ州シカゴで開催された「Electronic Product Code Symposium」で,RFIDシステムによる輸送用パレットのデータ読み取りや自動追跡などのデモンストレーションを行った。

 同社のサービスは,コンサルティングと導入サービスに,ソフトウエアを組み合わせる包括的なもの。システムは「WebSphere Application Server」「DB2 Information Integrator」「Tivoli Access Manager」「WebSphere Portal Server」上で「Websphere Business Integration」を動作させ,(1)コンサルティングとRFIDシステム開発,(2)12週間の試験運用,(3)システムの本格運用開始,という3段階を経て顧客への導入を進める。

 IBM社Global Services部門ワールドワイドRFIDリーダーのFaye Holland氏は,「RFIDの時代が到来した」と述べる。「小売業界の顧客がコスト削減,顧客サービス改善,業務合理化というRFIDの大きなメリットに気付いたことで,RFID導入ノウハウに対する要求が急に高まっている。当社はパートナ企業と密に協力し,同市場において最も包括的なRFIDソリューションを提供していく」(同氏)

 なお同社によると,「小売業界がRFID導入して倉庫から店頭まで商品の流れを自動追跡することで,商品の盗難を防止するとともに,在庫量を25%減らし,1年間で数10億ドルの経費を削減できる」という。

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