KDDIとデパートのプランタン銀座は9月19日、携帯電話とICタグ(RFIDタグ)を連動させたマーケティングの実証実験を行う。デパートを訪れる顧客にICタグ付きの携帯ストラップを配り、それを店内に設置されたICタグ・リーダーにかざすと、クイズやショッピング情報が携帯電話のメールに届く仕組みをつくる。

 実証実験は1日限り。プランタン銀座の会員と、当日店舗を訪れる顧客、合計500人が対象。対象となる顧客には、直径1センチ程度のICタグが付いた携帯ストラップを配布。携帯電話から自分のICタグの識別コードをKDDIが用意したアドレスにメール送信してもらう。すると携帯電話にクイズが届くようになる。店舗内の各フロア合計5カ所に設置されたすべてのICタグ・リーダーをまわると、クイズの答えがわかる仕組み。

 具体的には、顧客が携帯電話のストラップをそれぞれのICタグ・リーダーにかざすと、クイズのヒントが届く。メールにはヒントのほか、そのICタグ・リーダーが設置されているフロアのお買い得情報なども掲載されている。すべてのICタグ・リーダーを回りきると、クイズの答えがわかり、正解者の一部には商品券などの賞品が贈られる。ICタグやリーダーは、オムロンの「形V700シリーズ」を利用する。

 KDDIは、この実証実験を通じて、新たなモバイル・マーケティングのツールとしての携帯電話の可能性を検証するとしている。同社は、携帯電話本体へICタグ・リーダーを搭載する検討もしており、この実証実験の結果を中長期的な製品開発にも生かしていく計画だ。

(井上 理=日経コンピュータ)