ドイツSAPの米国法人であるSAP America社と米Hewlett-Packard(HP)が,中規模企業向けの総合的なIT管理ソリューションを米国時間10月27日に発表した。米国内の企業を対象とし,ソフトウエア,サービス,サポートなどをまとめ,1ユーザー当たり月額325ドルからとする。

 両社によると,「多くの中規模企業は,大企業が利用しているエンタプライズ規模の管理システムを導入すれば業務効率が向上し,競争力が高まることを理解している」という。「しかし,支出額や複雑さ,全体的な計画が見積もりにくいので,ソリューション導入をためらう例が目に付く。我々の特定業界向けソリューションは,ソリューション運用に必要な経費とリソースを明確化しているので,中規模企業のこうした懸念を解消できる」(両社)

 両社のソリューションは,SAP America社と同社のソリューション・パートナが,ソフトウエア/導入/メンテナンス/エンド・ユーザー・トレーニング/サポート/機能管理/アプリケーション管理といったサービスを担当する。また,各顧客にはSAP America社の専任担当者が付くので,リスクを軽減すると同時に,顧客側が管理作業に人員を割り当てる必要がなくなる。

 一方HP社は,同ソリューションにおいてデータセンタ・プロバイダとして機能する。具体的には,運用/インフラのホスティング/オンデマンド・ストレージ/事業復旧/マネージドWebソリューション/セキュリティ・サービスなどを提供していく。

 当初両社は,石油/ガス燃料供給,消費財/食品,ハイテク製品,技術サービス・プロバイダといった業界向けのソリューションを用意する。その後,順次そのほかの業界向けソリューションの提供も行う。

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