ドイツのSAPが,中小企業向け業務用ソフトウエア「SAP Business One」の新版を現地時間10月13日に発表した。資材所要量計画(MRP:Material Requirements Planning)機能を組み込んだほか,顧客関係管理(CRM)機能も統合している。

 SAP Business OneのMRP機能を使用すると,小さな規模の企業でも大企業並みに資材管理業務を効率化できるという。MRPウィザードが付属しており,資材計画の管理や計画シナリオの定義を,さまざまな評価基準に従って行える。需要状況の確認から,製造,調達計画立案までを,5段階の手順で処理できる。

 SAP Business OneのCRM機能強化により,販売やサービス,打ち合わせのスケジュール管理を,完全に統合されたカレンダで行うことができる。そのため,ほかのワークグループ用サーバーを導入する必要がないという。Microsoft Outlookとの連携も強化した結果,他部門や他社とのやり取りがしやすくなり,関係者間でスケジュール,アドレス帳,作業予定などの同期が可能となった。

 さらに,Microsoft SQL Serverに加え,Sybase Adaptive Server Enterprise,IBM DB2 Universal Database Express editionといったデータベースにも対応した。

 新版は,37カ国以上で利用可能とする予定。標準のメンテナンス契約を結んでいる既存顧客は,無料でアップグレードできる。

 米メディアの報道(TechWeb)によると,SAP Business Oneの米国における価格は,1指名ユーザー当たり3750ドルからという。

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