米Forrester Researchは,2004年における中小企業のIT支出について調査した結果を米国時間4月27日に発表した。それによると,中小企業は2004年のIT支出を前年比で6.6%増額する予定であり,大企業の同1.7%増を上回る。

 調査は,従業員1000人未満の北米中小企業で働くIT意志決定者1000人を対象に実施したもの。

 中小企業の多くは,大企業より将来の見通しに楽観的である。「控えめにみても景気は中程度に良い」という中小企業は81%に達し,「2004年末までに景気はさらに上向きになる」という中小企業は78%だった。

 セキュリティに投資予定の中小企業は全体の75%を占めた。財務関連など,規制の厳しい分野の企業ほどセキュリティに対する需要が高い。ファイアウオールの導入にも積極的で,少なくとも半数以上が試験的に利用している。

 中小企業は無線ネットワーキングに対する関心が強く,無線ネットワーキングを試験利用している割合は51%だった。また,インターネット接続を向上するために帯域幅を増強する予定の中小企業は70%で,そのうち85%が年内にネットワーキング関連のハードウエアを購入する予定である。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・新しいサーバーを購入予定の中小企業は74%,ストレージを購入予定の中小企業は65%。

・従業員数が100~999人の中企業のうち,ハードウエアの増加に対応するためにシステム管理ソフトウエアの購入を検討しているのは46%。

・社内でWindows XPへのアップグレードを行った中小企業は61%。また,平均して社内の4分の1のパソコンを買い替える予定の中小企業は95%。

・年内にビジネス・インテリジェンス・ソフトウエアを購入予定の中小企業は33%,コンテンツ管理ソフトウエアを購入予定の中小企業は30%。

・中小企業が購入を予定している製品のメーカーで最も多いのは,米Dell(パソコン),米Microsoft(ソフトウエア),米Cisco(ネットワーキング製品),米Symantec(セキュリティ製品)である。

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