米Texas Instruments(TI)が,テキサス州リチャードソンで新しい半導体工場の建設を11月18日に開始する。TI社が米国時間10月25日に明らかにしたもの。同工場では,300mmウエーハと65nmプロセス・ルールによる半導体製造を行う予定。

 敷地面積は92エーカー(約37万2315平方m)で,クリーン・ルームの広さは22万平方フィート(約2万439平方m)以上。最大で1000人の常勤スタッフを雇用する。完成には数年かかり,投資金額は最大30億ドルと見込む。「世界最先端の半導体工場の1つとなり,無線/ブロードバンド/デジタル家電向けのDSPとアナログ・ベースのSoCを製造する」(同社)

 同社によると,同工場は環境面にさまざまな配慮をしているという。建築時に再生素材を使用したり建設廃棄物をリサイクルしたりするほか,景観も保護する設計とする。雨水用の貯水池を設け,水の再利用なども行うことで,水の使用量を抑える。廃熱利用,自然光の採光,屋根からの反射光の利用,太陽熱給湯など省エネルギ設備の導入で,エネルギ消費量と排出物質の低減を図る。

 こうした取り組みにより,同工場は建設関連業界の環境保護団体であるU.S. Green Building CouncilからLeadership in Energy and Environmental Design(LEED)認定を受けた。

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