米Microsoftが,パソコンにデジタル・エンタテインメント機能を追加するメディア・センター技術の新版「Windows XP Media Center Edition 2005」を米国時間10月12日に発表した。同技術は,Microsoft社のデジタル・エンタテインメント戦略「Digital Entertainment Anywhere」の中核という位置付け。世界各地で直ちに利用可能とするほか,米Dell,米Gateway,米Hewlett-Packard(HP),ソニー,東芝などが同技術を搭載したパソコン“Media Center PC”を出荷するという。

 Windows XP Media Center Edition 2005について,Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は「最も優れた包括的ネットワーク対応エンタテインメント環境を世界中の人々に提供するという戦略において,中心となる技術」と説明する。「パートナとの協力により,パソコン上のデジタル・エンタテインメントに真の革新をもたらす」(同氏)

 Windows XP Media Center Editionを使用すると,写真,映画,音楽,テレビなどのデジタル・エンタテインメントが簡単に楽しめるようになる。マウスとキーボードのほか,リモコンでも操作できる。放送中のテレビ番組の録画や一時停止,CD-R/DVDメディアへの写真や映画/テレビ番組の保存,デジタル・カメラから取り込んだ写真の編集などが行える。「Movie Finder」機能を使うと,出演者,ジャンル,監督などのキーワードで映画を検索したり,似た分野の映画を見つけたりできる。

 「Windows Media Player 10」が統合されており,各種オンライン・サービスから音楽や映画のダウンロード/再生が簡単に行える。「Windows Messenger」も付属しており,テレビを見ながら友達とチャットをするといった楽しみ方も可能。

 同社は,拡張機能の「Media Center Extender」も提供する。同機能に対応した装置を使用すると,Media Center PC上の音楽,写真,録画済みテレビ番組,ビデオなどを家庭内のテレビで楽しめる。また「Media Center Extender for Xbox」を導入すると,同社のゲーム機「Xbox」をMedia Center Extender対応装置として利用できる。

 Windows Media Center Extender対応装置は,HP社が同日,米Cisco Systemsの事業部門であるLinksysが2004年終わりごろ提供開始する。Media Center Extender for Xboxは,2004年のホリデー・シーズンに利用可能とする。

 さらにMicrosoft社は,複数のコンテンツ・パートナによるWindows Media Center Edition 2005対応サービスについても明らかにした。主なサービスとしては,米America Online(AOL)のオンデマンド音楽ビデオ・サービス「AOL Music on Demand」,米Eastman Kodakの写真共有サービス「Kodak EasyShare」,Microsoft社のインターネット事業MSNによる音楽サービス「MSN Music」,米National Public Radio(NPR)や英Reutersのニュースなどがある。そのほかには,米CinemaNow,米Napsterといったコンテンツ・プロバイダもWindows Media Center Edition 2005対応のサービスを展開する。

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