米NPD Groupは米国時間6月5日,CD消費者によるデジタル音楽サービスの利用状況について調査した結果を発表した。それによると,CD消費者で有料のデジタル音楽サービスを利用するユーザーの割合は,2003年第1四半期の1.7%から2004年第1四半期の5%弱へと,着実な増加傾向にあるという。

 また,有料のデジタル音楽サービスを利用するCD消費者が,音楽コンテンツを違法にダウンロードする割合は,同期間中に64%から42%へと減少した。

 NPD Group社NPD Music部門担当社長のRuss Crupnick氏は,「熱心な音楽愛好家は,『Rhapsody』や『iTunes Music Store』といった有料サービスを積極的に利用し始めており,合法的なデジタル音楽市場の強固な基盤となりつつある」と説明した。

 CD消費者が利用するデジタル音楽サービスによって,過去12カ月間のCD購入枚数に違いがあることが分かった。Rhapsodyなど,会員制デジタル音楽配信サービスのユーザーは平均11枚,iTunes Music Storeのようにダウンロードごとに支払うデジタル音楽配信サイトのユーザーは平均10枚,ピア・ツー・ピア(PtoP)型のファイル共有サイトのユーザーは平均8枚,Webからデジタル音楽をダウンロードしていないユーザーは平均6枚のCDを購入していた。

 有料のデジタル音楽サービスを利用するCD消費者が購入したCDの枚数をみると,2003年と2002年では平均して約1枚減っただけだった。「現在は,デジタル音楽とCDの両市場が共存している。しかし,デジタル音楽市場の成熟が今後,CD市場に与える影響を予測するのは難しい」(Crupnick氏)

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