米IBMが,メインフレーム製品の強化に向けた施策,製品投入計画,投資計画を米国時間10月7日に発表した。IBM社は,金融業界に特化したソリューションの展開,メインフレーム技術者養成トレーニングの開設,中国におけるメインフレーム販売の強化などを実施する。

 金融業界向けの取り組みとして,メインフレームによる金融関連業務をデモンストレーションする施設「Banking Operating Environment for On Demand Business」をフランスのモンペリエに開設する。この施設を利用すると,新しい製品やサービスの導入が迅速に行えるようになるという。また同社は,金融サービス向け参照アーキテクチャの提供を2005年に予定している。

 トレーニングについては,2010年までに2万人のメインフレーム技術者養成を目標とし,世界各地の大学と共同で講座を開設する。独立系ソフトウエア・ベンダーとの関係を強化し,同社製メインフレーム上のz/OSおよびLinuxで動作するアプリケーションの拡充を図る。

 中国における販売強化戦略として,政府/金融サービス分野向け検証センターの開設,販売/サポート担当者の増員,「eServer zSeries」と「TotalStorage」を使った大学向け奨学生制度「zSeries Scholars Program」の活用,メインフレーム技術者養成コース開講に向けた大学との協力,「Strategic Support Initiative」担当役員の任命を実施する。

 そのほかの主なメインフレーム対応計画は以下の通り。

・zSeriesでの仮想化技術「IBM Virtualization Engine Systems Services」対応:
 「Enterprise Workload Manager for z/OS」を2004年第4四半期に提供開始

・単一サイト復旧用「GDPS Hyperswap Manager」の提供:
 ディスク・サブシステムの動的管理を可能とするエントリ・レベルの低コスト・ソリューションを,2005年第1四半期に提供開始

・zSeries用Linuxでの「Communication Controller」対応:
 2005年前半に提供開始

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